子供達は見慣れた高速の景色に飽きてしまったらしく寝てしまった。
本調子ではなかったはずのいっくんも眠ったので起こさないように気を使う。
目的地は兵庫県の方ホタルの里。
この日は「ほたる祭り」の最終日。
初めてのお祭りにドキドキである。
子供達が眠ってしまうと、カーナビから流れる音声と、似たような景色の高速道路走行に思わず眠くなりそうである。
到着予想を心配してかスピードを出し気味な伴侶に「出しすぎ」と声をかけるも減速する様子なし…。
そんな私のお小言よりも、伴侶は少しなれない山道にカーナビの表示を何度も確認しながらの走行の方が大事。
…と、これがいけなかった…。
私がボンヤリ正面を見ていると推定50メートルくらい前方に、山の中からカラスが2羽、喧嘩しながら道路に飛び出てきた。
「危ないな」と思いつつ見ていると、隣の伴侶がブレーキを踏み減速……しなかったのである。
その距離あっという間に数メートル。
ヤバイと気がついた時には情けないことに言葉にならない言葉しか出てこないものである。
「え?!ちょっと?!や!!イヤア〜!!」
道路の真ん中でもんどり打って、脇に脱出しきれていない2羽のカラスの真ん中に正面から突っ込んだのである!
固く目を閉じ、次に目を開けた時には視界には何もいなかった。
衝撃は…判らない。
が、目を閉じる瞬間見てしまった。
一匹はかろうじて右に飛んでいった。
ところが左のライト辺りに逃げそこねた一匹がいたのだ。
伴侶よ、何してんのー?!
「見てた?!前、見てた?!今、はねたよね?!」
固まったまま前方から視線を外せないでいる伴侶はハンドルを握りポカンと口を開けたまま茫然自失。
「ごめん、見てなかった…撥ねた…」
しばらくして口を開いたその内容のショッキングなことと言ったら。
言い様のない罪悪感に、誰を攻めればいいのか判らないパニックな状態に。
後ろではスヤスヤと子供達が眠っている。
前を見てなかったあ〜?!
数秒の脇見が命取りの高速道路。
大事故になりかねない危険な行為に腹が立つやらカラスが可哀想やら…。
死んでしまっただろうか、何とか生きてるのだろうか…。
本当にゴメンね。
一気に静まり返った車内で泣きたい気持ちのまま高速道路を降りた。
何も知らないいっくんが先に起きて、
「空が綺麗!写真撮る。」
と景色の変化にご機嫌の様子。
一緒に空を眺めていると通夜の様だった空気が少し和んだが、カラスのことを思うと気持ちが沈んだ。
その後、すぐにこいちゃんも起きたのであっという間に賑やかに。
目的地まで数キロと言うことでみんなのテンションは徐々に上がり始めていた。
旅行は楽しいけれど、常に気を張っていないと大変な事になる。
それが解っているから親は手放しで楽しんでばかりはいられない。
子供達が楽しめるように、安全な様に気を配りながらの旅は実は結構疲れることなのだ。
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