とうとう沖縄旅行最終日の朝である。
いっくんは大好きなトロトロオムライスの食べおさめとばかりにお代わりに向かう。
こいちゃんももちろんトッピングを色々楽しみながらたっぷりと堪能。
寂しい気持ちを抱えながらも、ホテルをチェックアウトし、皆で車に荷物を積み込み出発である。
こいちゃんの要望で今回の旅行に組み込んだ「普天間基地」観光(?)。
いつも朝のニュースで聞くので、どんな所か見てみたかったらしいのだが、そこは「基地」であるため、のほほんと観光をさせてくれるわけもない。
伴侶が調べたところ「嘉数高台公園」から見えると言う事で向かうことになった。
民家のようなところを抜けていくので、本当にこんなところから?と訝しんだが、ちゃんと駐車場もあり、観光客も多くて意外であった。
肉眼では小さくしか映らなかったが、戦闘機などが見える。
高台から眺める町の様子。
沖縄は白っぽい建物が多いなぁ・・・
1944年頃から構築された「陣地壕」は、防空壕みたいな感じ。
入口は封鎖されていたので入れなかったが、中は広めの洞窟と言ったところか。
学校の国語で「ちいちゃんのかげおくり」と言う、戦争の話を勉強しているこいちゃんは興味津々で、入れないことを残念がった。
観光客は多く、外人さんがとても多かった。
外人さんのガイドさんが、皆に向けて説明をしていたので面白半分に子供達に「何て言ってた?」と聞くと、「私、ほとんどわかったで!」とこいちゃん。
「何て言ってたの?」と突っ込むと「うーん??」って、露ほども判っていない様子にガクリ・・・
大きなデイゴの木の前で2人を撮影。
再びレンタカーに乗り込み次の目的地に向かう。
と、マラソン大会の真っ最中!
スゴイ人である。
しかもコスプレ発見!
沖縄だけにゴーヤマン・・・・そして何故かピカチュー?
沿道で応援する人々のスタイルが沖縄チックで素敵である。
そんな楽しい集団を眺めながらついた場所は、「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」。
説明によると
「現在の沖縄県南城市(旧知念村)にある史跡。15世紀-16世紀の琉球王国・尚真王時代の御嶽であるとされる。「せーふぁ」は「最高位」を意味し、「斎場御嶽」は「最高の御嶽」ほどの意味となり、これは通称である・・・・云々」とある。
つまり神聖で、崇高な場所だったのだろうが、ここでもこいちゃんの質問攻めにあい、早々にギブアップした私である・・・
結局、母が根気よくパネルを見ながら説明を行い、かみ砕いた解釈で何とか満足したこいちゃん。
「ひめゆりの塔」でも痛感したことだが、次回からガイドさんをお願いするべきだ、と母と話し合った・・・。
静かな山道を歩いていくと、汗ばむほど。
自称「自然大好き」のいっくんも心地が良いらしく、鼻歌交じりで雰囲気を楽しんだ。
難しいことにあまり興味のない私などは、「こんな石、どうやってできたんだろうねぇ~」などと景色を楽しみながらひたすら写真を撮り続けた。
難し事は判らないが、やはりこの何とも言えない空気を持つ、神がかり的なこの場所には魅力を覚えるのだ。
お昼ごはんは少し降りたところにある、ハーブ料理などを提供してくれるお店でいただいた。
庭には多数の珍しい植物が。
食事もとっても体に良いものを意識した、オーガニック料理である。
販売も行う店内には、大量のハーブたち。
名前も知らない大量の瓶詰ハーブがずらりと並んでいる。
そうこうしている間にも時間はどんどん過ぎていく。
時間の関係から予定を変更して向かったのは「国際通り」。
父と母が勧めただけあり、たくさんのお土産屋さんが軒を連ね、とってもお安くお土産などが買える。
だらだらとおやつを食べるのも子供達のお楽しみである。
こいちゃんはアイスクリーム、いっくんはかき氷、と真夏さながらのおやつタイムである。
さすが変わった物も置いてある。
本物のカエルの皮で作った財布や、マムシの瓶詰など、思わず釘付けになるような珍しいお土産も多数。
おなじみのシーサーは、何百種類とデザインがあり、子供達も何個か購入。
お菓子なども購入して空港に向かうことになった。
手続きを済ませて飛行機に乗り、飛び立つ瞬間には何ともさみしい気分に。
1時間30分ほどで飛行機は空港に到着した。
ひんやりとした大阪の空気を肌で感じると、無事に帰り着いた安堵感と、夢から覚めるような感覚に少々ぼんやりしたまま車に揺られて帰宅した。
この旅行をプロデュースしてくれた父と母は、夢から覚めたくない子供達に引きとめられながらも、翌日に帰っていった。
子供達は学校が始まり、伴侶は会社に向かった。
着々と現実に向けて日々は始まるが、皆でお土産を眺めたり、ドラゴンフルーツなどを食べては楽しすぎた思い出を反芻しながら、やっと通常運転を始めた・・・と言う感覚である。
1週間近くたった頃、子供達の作ったガラス館のコップが宅急便で送られてきた。
現実に引き戻されて忘れかけていた頃に届いたこの沖縄のガラスコップを、子供達は大変喜んだ。
小さな白い斑点は、暗いところに持って行くとぼんやりと光るようになっていて、とっても美しい。
こいちゃんは自分の部屋に持って上がりインテリアとして大切に飾った。
いっくんは、自分が一番気に入っているパソコンゲームの前にいつでも見られる様に、と置いている。
これを見て、子供達がいつでも沖縄旅行を思い出せるように、少しでも長く覚えていてくれたら、と思うのであった。
今回の旅行を提案してくれて、何から何まで手配し、楽しい思い出を作らせてくれた父と母、全てのスケジュールを組み、仔細に置いて様々なアイディアを凝らしてくれた伴侶に、本当に感謝したいと思うのであった。