5時過ぎ、山の稜線が茜色に染まり、夜の帳(とばり)が辺りを
覆いだす
図書館の帰り、ハンドルを握りながら、献立の確認
ちょっと手を
加えればいいだけにして、出て来たから気持は楽
ふっと気が付くと、中空にまん丸のお月様が---------
サァー私の出番ょ、とでも言いたげに、いっそう暮れなずむ空に、
輝きを増す
夕べも夜中2時過ぎ、トイレに起きた目に、煌々とさす月明かりが
玄関のガラス戸越しに、辺りを白々と照らし、静けさを一層強く感じ
させていた
しんしんと冷え込む夜気に思わず首をすくめ、温まっ
た布団に直行
庭では草花が息をひそめ、冷たい空気にフル
フルと身を震わせていることだろう
物音一つしない静寂の中
ただお月様だけが、地上を照らし続けていた