犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 | |
太田匡彦 | |
朝日新聞出版 |
¥1,200+税 朝日新聞出版 2010/9/30発行
ISBN978-4-02-250791-4
日本では、行政が処分する犬は年間八万匹以上。
無責任に売りっぱなしにするペット業者。無責任に飼い始め、飽きたらすぐに処分しようとする飼い主。その尻拭いをするために税金を使う行政。
雑誌アエラの取材を元にした書籍化。
ペット後進国、日本。
…今はまだそれを言うときではないとは思うのですが、今回の震災で、ペットたちの多くも命を失ったと思います。助かったペットも、人間の食料も足りない避難所でまともなケアをできずにいるのではないかと思います。
人間の命とペットの命、二者択一の場面なら、止むを得ません、人間を選ばざるを得ないでしょう。けれど、どうしてもどうしても他に選択肢がない、どうしようもない、というのでないかぎり、できるだけ共存の道を採れないものか…。
安易に人間優先、ペットを犠牲にしてもいい、ペットの命は軽い、と命の価値に上下をつけてしまうのは、エスカレートすると、若者のためには老人を犠牲にしてもよいとか、果ては優秀な人間の命のためには劣った人間を犠牲にしてもいいという方向に進んでしまいかねない危険を孕んでいます。なにかのためになにかを犠牲にするのではなく、どちらをも尊重できる世の中こそが、結果的に自分を守る世の中だと思うのです。