『環八イレギュラーズ』 佐伯瑠伽
¥1,850+税 中央公論新社 2014/9/25発行
ISBN978-4-12-004652-0
うっわ。おっもしれー。
コミュ障女子と自閉症男子が地球を救う!
って煽りなんだけど、や、救ってんのはコミュ障女子のクラスメイトで自閉症男子の双子の兄&その友人のの二人のほうが主ではなかろうか。もちろんコミュ障女子もがんばってるし、自閉症男子もがんばるというか彼がいたからこそ、なわけなんだが。
ハル・クレメントの『20億の針』のような話。と、登場人物たちも言っている。
宇宙刑事が犯罪者を探し、追い詰める話。
そのメイン・ストーリーもさることながら、自閉症患者を持つ家族の思い、がすごくリアル。邦治と泰弘の関係性が。家族として愛していて面倒を見るのは当然だと思っているけれどそれでもやはり、じわりじわりと疲れていく。ほんの少しの報いがあればと期待する。
茜の生徒会活動歴五年の経験がものすごい件については、なんていうか、私は今まで高校生を扱った小説を読んでは「こんなスーパー高校生は小説だからだよな、実際の高校生はもっとガキだって」と思ってきたのだけど、そろそろこれだけそんな高校生ばかり読んでると賢い高校生はリアルでもこれくらい賢いのかも? とか思ってしまいますよ。つまり私がばかなガキだったってだけだったかも、と。
まあとにかくスピード感あふれて実に面白い小説でした。
伏線の張り方がちょっとあからさまだったけどね(笑)。