撫子

　　　蔭日向どちら向いても愛また愛

母校の記章もこれでした。でも辛抱強い。

嘆きなどはないのです。

へびいちご

　　　　雛罌粟にそっと囁く葉陰から

真っ赤な苺なのに、やっぱり名前が淋しいのかしら？

子供には好かれていますよ。

ヒメオオギ

　　　　片隅にひそっり待つ夢追ひつ

小さな形でも意思は固くて、無理をいっても聞きません。

それでいいの、世間は辛いから。

薫りバンマツリ

　　　　色替えてなほも咲きけりばんまつり

薫りが夕方には漂います。誰か魅せられてきっと来るわ。
私の姿にあこがれて・・・・

タンポポの綿毛

　　　風を待つたんぽぽ何処飛びたたむ

花が終わればすぐに子孫の繁栄でしょうか。

命は続きます。

ピンクベコニア

　　　　誰も知らぬ乙女は恋を抱きつつ

乙女の恋は美しい。しらぬまに時は経っていきます。
幸せに。

シャクナゲ

　　　山を降り人交じりする紅にして

早くに咲いてもみんなが見てくれるかしら？
恥かしいの。

睡蓮

　　　眠り醒め蜂を招けるかはゆさよ

今年は暖かで蕾が膨らみ、そこで寒くなって、三日もそのまま。
やっと昨日の夕方開きました、ほんの少しですが・・・

エビネ蘭

　　　木の蔭にひっそり咲けるえびねかな

今年は木を斬りましたので、早く終わりそう。でも毎年出てくれます。

誰を慰めるのでしょうね。私かも。

セッコク

　　　しとやかにせっこく開く嬉しさよ

山にあるべきセッコクが鉢植えにあります。よく咲いて呉れるのが

私への贈り物かな。