モトログ ~ある診断士の終わりなき挑戦~

恣意的なのか、恣意的でないのか


今晩は専修大学の三宅先生にお願いしてリモートセミナー「新しい市場のつくりかた」をやります。
とても楽しみです。



どうもkurogenkokuです。



先日のエントリーの反響がまずまず良かったのでその続きを。


【簿外債務と偶発債務】
https://blue.ap.teacup.com/motokuni/6777.html


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上記はある会社の事例ですが、直近の試算表(手書きでしたが)を見ると、やはり損益は収支トントン。一方、役員への貸し付けが多額に計上されていることがわかりました。理由を問いただすと、貸借対照表に未記載の未払金(取引先に対する諸費用の未払い)がたくさんありました。また法人以外にも個人のカードローンがたくさんありました。
直近の融資は、役員への貸し付けを経由して、これらの返済に充てられていたわけです。つまり、健全そうに見えた企業ですが、過去のビジネスから構造的な問題を抱えていたことがわかりました。
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さてこのケースにおいて、もうひとつのポイントは、この誤りが恣意的であったかということ。
経営者との対話を深めているうちに、経営者は決算書の内容をほとんで理解できていないことがわかりました。本人に意図的な負債隠しをしている認識はありませんでした。


納品書、請求書、領収書の管理ができていないので、どこの仕入先等にどれだけの債務があるのかつかめていない。つまり、買掛金等の負債残高が貸借対照表に反映されていない。現金等の合わない部分を役員借入金で調整する。この繰り返しで簿外債務が増えていきました。
現金管理ができていないから、お金が足りなくなると個人のカードローンに頼る。そのカードローンの借入残高や返済条件もつかめていない。


簿外債務を特定するために、いろいろな情報を出していただきましたが、「なぜ個人のカードローンのことまで話さなければならないんですか」と最初は納得のいかない様子でした。

「だってカードローンの支払いがあると、会社から現金を持ち出さなければならないでしょ?」


このようなやり取りを繰り返してきましたが、経営改善支援の前段として、この「どんぶり勘定」を何とかしなければいけません。

「これって顧問税理士の仕事だろ」なんて思いながらも、緊急的には私が関与するしかなさそうです・・・。

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