モトログ ~ある診断士の終わりなき挑戦~

JQAセルフアセッサー更新研修

先日、JQAセルフアセッサーの更新研修に行ってきました。
昨年度に取得したのに、もう更新研修。
といっても更新研修は毎年行われ、都度10,500円の支出が必要な「イタイ資格?」なのであります。


それはさておき、更新研修にはケースワークが含まれており、なかなか面白いものでした。

今回のグループは大手SメーカーのK取締役、同じく大手HメーカーのO部長、広島県で建設会社を経営されているO社長、そしてなんちゃって経営指導員のkurogenkokuの4人でした。

「5年前にコンサルタントに経営革新を依頼したが結果がでず、その反省から自ら経営品質プログラムを導入したメーカーの事例」について「経営幹部のリーダーシップを評価すること」が今回の課題でした。

ここで面白かったのが4人とも全く評価の視点が分かれてしまったことです。
どれが正解でどれが優れているということはないのですが、おおよそ下記のようなダイアログが行われました。


K取締役:「セル生産方式がうまく機能しない中、資材標準品を進めていくことでカスタム化に対応したことは評価できる。売上、営業利益も伸びており相当高いリーダーシップを発揮できたと言える。よってAランク。」
O部長:「私もAランク。業績レベルを見ても結果を出しているし、社長も従業員に対しグループウエアで毎週メッセージを書いている。コミュニケーション能力も高いと言える。」
O社長:「結果がでたのはAランクとしても良いが、メッセージは一方的で、双方向で行われているとは言い難い。よってBランク。」

私が最後だったのですが、評価そのものよりもいろいろ感じた点について投げかけるように尋ねてみました

kurogenkoku:「確かに業績向上を果たした点については評価が高いと思います。でも与件には『国内市場ではトップシェアを誇るものの、海外でのシェアは№2』また『海外の安価な製品の流入や、取引先の海外移転が進んでいる』と書いてあります」
      「既存の顧客ニーズに対しては充分改善が図られているものの、外部環境には大変厳しいものがあり、今後を見据えた場合、このあたりについてもリーダーシップを発揮して全社レベルで危機感の共有を図るべきと考えますがいかがでしょうか?」
      「さらに経営品質プログラムを導入した際に『いままで失敗した結果を踏まえれば、2年程度の時間は問題ではなく、ある程度の開き直りが奏効につながった』、さらに『たまたま経営幹部の1人が経営品質プログラムに関心を持ち』とあります。この『開き直り』や『たまたま』がなければ果たして良い結果は生まれたと考えるべきでしょうか?」

K取締役:「なるほど面白い視点ですね」 


またこの企業、現象面だけ拾い上げれば、すばらしく成功を遂げています。
でもさらに細かく見ていくと、「果たしてこの結果を生みだしたプロセス自体も正しいのだろうか?」などいろいろな問題点も類推されます。


O部長さんはおっしゃいました。
「大企業の一部門を管理していると、自分の部門の業績評価しか見えなくなっちゃうんだよな」
「来週からちょっと考え方を入れ替えますよ」


ダイアログは異なるレベルの人が集まれば集まるほど、深みが増します
そういった点でも非常に有意義な研修でした。

p.s 
今回参加されていた建設会社を経営されているO社長さん。
非常に前向きな方でした。
私と同じく昨年度認定を受けたばかりですが、すでに全社での導入を進めており、昨年度「中国・四国地区の『努力賞』」を受賞しています。
是非、建設業初の「日本経営品質賞」を受賞して欲しいと思いました。
また同時期に認定を受けた私が、その後なんらアクションも起こしていないことに恥ずかしさを覚えました。       

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