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アイマール記者会見 Nacionより 06年6月3日

2006年06月07日 17時39分12秒 | インタビュー(Entrevista)
というわけでがんばって訳してみました。でも、意味不明なところとClarinと重なっているところは省略。


ノート、カメラ、レコーダーの大群の前に現れるのは、決して好きなことではないが、彼はそれをより自然に受け止められるようになった。彼は自分をスターだと信じているわけではない。その正反対だ。彼はいつも内気で、故郷のリオ・クアルトで重んじられている価値-控えめさ、シンプルさ、人気よりも親愛といったことに忠実であり続けているから。数年がたち彼ももう26歳で、二人の小さな子どもたち(2歳のアグスティンと4月26日に生まれたサラ)の父親だ。ライオネル・メッシは言った。「ずっと彼のことをアイドルとしていたが、一度もそれを打ち明ける勇気がなかった。」と。「ああ、彼が僕は良いなんて言ったって? 4~5年後に彼がバロンドールを5回取ったときには、その言葉を誇りに思うだろうね。」そう言って、少し神経質そうなくすくす笑いをした。

記者会見をする番となったパブロは、賢明に、澄んだ明晰さで、幾つか機知に飛んだ受け答えを混ぜながら、天使のような様子で、しかし常に洞察力を持って話した。彼は話すことが好きではないが、話すときにはいつも上手く言葉を使うことができる。その言葉は簡潔で、創意に富んでいる。

「僕はエゴイズムは横に置いておこうとしていて、これから言うことは、こんな風に聞こえるかもしれないけれど、というか、どう聞こえるかわからないけれど、自分のことよりもチームが上手く行くことを選ぶ。もちろん僕はプレーしたい。前回のワールドカップでは少しの時間しかプレーしなかった。同じように自分がプレーはせずに、チームがもっと先に進むほうがいい。これは本当のことなんだ。たぶん自己中心的で、または違う状況なら、別なことを話すかもしれないけれど、代表チームで、今の時点では、自分がプレーしないことと引き換えに全てが上手く行くなら、そのほうがいい。」

-1分間もプレーできなくても、それでも優勝するほうを選ぶのですか?
「全試合でプレーできたら嬉しいだろうね。でも、チームと自分とを選ばなくてはならないなら、チームがチャンピオンになるほうがいい。試合ができるかできないかは二の次のことにすぎない。」

4年前日本で、ワールドカップの待合室で、彼は幸せだった。ワールドカップを戦う最初のリオクアルト出身者となったのだから。2002年は148分という出場時間を彼に残した。そして今ドイツで、彼はまた控えとしてワールドカップに臨もうとしている。贅沢なことに、腹も立てずに。
「もしも神が望めば、あるいは運命が望めば、7試合があるだろう。そして僕ら全員が重要となる。もしもチームが優勝したら、それは11人より多くの選手たちが戦った結果であり、全員が重要だっということだ。もしも僕らがチャンピオンなら、全員がチャンピオンだということだ。もしも僕らが悪い結果となったのなら、悪いのは23人ということ。」

-(チームに友人が多いという話しの後で)でも、良いグループだということは何も保証しませんね。
「そうだね、僕もそれは知っている。よいグループが勝利の前兆ではないことははっきりさせておかなくてはいけない。良いグループが必ずしも良いチームとなるわけではない。」

-ホセが代表チームの監督であることはあなたに安心を与えますか? (すごい質問だな!)
「自分が偉大なチームの一員であり、美しいユニフォームの伝統を守ろうとしていることが僕に安心を与えてくれるよ。そして重要な責務があるということもね。」

-サッカーの世界では、彼ほどあなたのことを良く知っている人はいないのは否定できないのでは?
「そうだね、もちろん。でも彼は僕らみんなを知っているんだ。僕らは少年の頃から知っていてHugo教授とともに僕らを集めたんだ。これらの人々はみんな僕らをとても小さな頃から知っているということは、確かに安心感を与えるものだろう。」

アイマールは、代表では40試合に出場、しかしペケルマンの下では8試合のみで、うちスタメンだったのは2005年6月4日、エクアドルのキトでの0-2の敗戦の一回だけ。

2002年のワールドカップでは、3試合に出場。ナイジェリア戦では12分間、イングランド戦では45分間、スウェーデン戦ではスタメン出場だった。


「アイマールは、自分をクラックだとは思っていない。
もしもアイマールが違う頭脳を持っていたら、彼は世界で最も偉大な選手のうちの一人になれたかもしれない。しかし問題は、彼がそれを信じていないということで、ここに問題の鍵がある。彼がナンバー1になれるかどうかはわからないが、クラックであることは間違いないのに。」とスペインのマルカ紙の記者は分析した。



あまりにも健気な言葉なので、この記事を書いた記者まで感動しているような。きっとここで言っていることを自分に言い聞かせながら練習をしているのでしょうね・・・。
ペケにこんなピュアな気持ちは伝わるのでしょうか。平気でアイマールを召集リストから外すような人ですから、これ幸いと放っておかれそうなんですけど(涙)。
 
Nacion アイマール記者会見



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4 Comments

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Unknown (つかっち)
2006-06-09 12:33:32
しおんさん、これだけ訳されるの大変だったのでは・・・・・(驚)!本当にいつもありがとうございます。自分でも訳せばいいのにてんでスペイン語が駄目でいつも頼ってばっかり・・(ダメダメだ~)。スペイン語、もっと勉強しなきゃー。 それにしても読んでいて切なくなるインタでしたね。パブロ、今の自分に自信が無いのかな。もともと謙虚な子だとは思ってましたけど、ここまで謙虚にならなくても・・って思うほどのコメントですよね。パブロって本来は謙虚でありながらも内には燃えるような強さを秘めていて、とてつもない負けず嫌いの選手だと思うんですが、パブロをここまでおとなしくさせたのはやっぱりペケのこれまでの扱い方なんじゃないか・・とも思えるのですが。
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ありがとうございます。 (みかんず)
2006-06-09 15:38:39
インタビューを丁寧に訳してくださって感動です。



>パブロは、賢明に、澄んだ明晰さで、幾つか機知に飛んだ受け答えを混ぜながら、天使のような様子で、しかし常に洞察力を持って話した。



誰でも、そう思うんですね。

26歳の2児のパパなのに・・・



私もつかっちさんと同じことを思いました。

なんでここまで・・・ってね。



雑誌の立ち読みをしたら、先日のテストマッチでの

アイマールとメッシ二人のことをほめていましたよ。

たったそれだけのことなんですが、

すごくうれしかったです。

ドイツでまたそういうシーンが見れますように。

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つかっちさん、 (しおん)
2006-06-09 16:53:27
普段はパブロのインタを訳すのはとても楽しい作業でちっとも苦にならないんですけど、このインタはなんだか身を切られるような切なさが(涙)・・・。



ここまで来ると自己犠牲の精神?? これほど思いつめないといけないものなのかな。



>とてつもない負けず嫌いの選手だと思うんですが



うん、うん、だからこそすごい葛藤があるんじゃないかなと心配になりますよね。



ペケになってからスタメンがあの高地送りのたった一試合だけだったんだと思うと今更ながら怒りが。私はパブロほど人間ができていないので、どうしても納得ができません。
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みかんずさん、 (しおん)
2006-06-09 16:59:40
この記者会見での言葉、リケルメからしたらものすごく重いでしょうね・・・。私ですら、アイマールがここまで言っているんだから、あんたたち死ぬ気でがんばってよね、なんて思っちゃいましたもん。



メッシとアイマール、とても合っているような気がしたけれど・・・。監督の目にはどう映ったのでしょう。そもそもアイマールが怪我をしていたわけでもないのに、この二人(リケルメ抜きで)を今まで一度も試していなかったなんておかしな話ですよね!
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