*午後5時のお茶会*

美しい聴衆の集まる時間

今どうなってるの?

2012-02-29 01:04:04 | 日記
体調が良いからといって演奏がうまくいくとは限らない。

むしろ体調や環境のコンディションが悪いときほど「火事場の馬鹿力」的な能力を発揮することさえ多いです。
かつて38度の高熱が出てもコンチェルトは弾けたし、空腹で身体が冷え切っていてもコンクールに入賞したりしています。かえって余計な事を考えられない状況に頭がなっているので、結果的に力がだせたのかもしれません。


どのように曲にとりくんできたのか。


どんな練習の仕方をしていたかで本番の演奏がうまくいくか決まってしまうようです。


機械的に指が動くことだけを考えて練習をしていれば、体調が悪ければいっぺんに崩れてしまいます。

かといって、全くスキのないように曲を作り上げて完璧に仕上げていても会場や楽器が違っていればあっさり崩れてしまいます。こんなはずではなかった~!なんて私も何度もありました。


うまくいくときは・・・・


そうそう。緊張してます、すごく。でもうまくいかないときの緊張のしかたと全く違うのです。


うまくいかないときの緊張の仕方は「なんとかうまく弾きとおせますように」でしょう?大抵は。
舞台に出る前も出た後も、周りがどうなっているかなんて全く目に入らないし聞こえない。自分の身体もなんだかギクシャクしているし「はやくなんとか終わって帰りたい」と思っています。


見えるはずのものが見えなくなっているし、聞こえるべきものもちゃんと聴けなくなっているのです。これは大問題。今までやってきたことさえわからなくなってしまいます。


で、うまく弾けるときなんですが。


不思議に周りの音がよく聞こえます。弾いていても客席の反応がちゃんと聞こえますし、空気の動きも感じます。でも自分の演奏している音もよく聞こえているし、次に何をやるべきかが次々とひらめくのです。


「ああ、もうすぐ終わっちゃう!」曲が終わってしまうのが惜しくなってしまうほど楽しい時間です。




・・・


これほどうまくいくときはやっぱり稀なんですけど、何回か経験しました。
音を間違えるとか、まちがえないとかそんなことは全く気になりません。ただただ流れに乗って進んでいくのみなんです。で、どうやら共演者も観客も同じように感じるようなんですね。


まるで、時間を忘れて楽しい遊びに没頭していた子供の頃のような。



結局、「今」自分がどのような状態なのかがちゃんと聞けたり見られたりできることがうまくいく条件なのかもしれません。


だから、練習も「この部分を完璧に弾けるようになる」というよりかは「自分が今どんなことをしているのか、どんなことを今したいと思ったか」がきちんと聴けるように練習すべきです。


舞台で自由自在に演奏したいと皆思っているのに、練習では、自分を型にはめるように矯正してかえって不自由にしてしまっていることのほうが多いような気がしてなりません。



いつも自分の弾く音が、自分の行動が、真新しい発見に満ちていますように^^。

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