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ここ数日、季節外れの寒さが続いている。冬が終わったと思ったら、まさかの真冬のような気温に逆戻り。おかげで、春の風物詩であるスギ花粉の飛散は抑えられているという。花粉症の人にとっては束の間の安息の時間といったところだろう。しかし、それも長くは続かないらしい。
25日を過ぎると気温が一気に上昇し、福岡や東京などではスギ花粉の飛散量が「多い」日が出てくる見込みだという。これはつまり、花粉症の人々にとって本格的な地獄の入り口ということだ。薬を飲むのを忘れた日には、目はかゆく、鼻水は止まらず、仕事にならないどころか、人としての尊厳すら揺らぐレベルの苦しみを味わうことになる。
しかも、花粉症のつらさは他人にはなかなか伝わらない。くしゃみを連発していると「風邪?」と聞かれ、「いや、花粉症で」と答えた瞬間、なぜか微妙な空気になることも多い。そもそも花粉症ではない人にとっては、「たかが花粉」と思われがちなのだ。だが、実際には鼻が詰まりすぎて味覚が狂うこともあれば、目のかゆみがひどくて眠れず、仕事のパフォーマンスが落ちることもある。花粉症とは、ある種の強制的な春の修行のようなものなのだ。
とはいえ、毎年のことながら、結局この時期を乗り越えるしかない。マスクをして、薬を飲んで、できるだけ外出を避け、気合で耐える。そうして花粉の季節が終わるころには、ようやく本当の春が訪れる。だが、油断していると次は黄砂が飛び始め、さらに梅雨が来て、気づけば夏の猛暑に苦しめられるのだから、結局一年中何かに耐えている気がする。そう考えると、人間とはつくづく耐える生き物なのかもしれない。
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