
オンライン診療のトラブルが相次いでいるという話は、つまるところ「医師が診察をしていない」「初診で向精神薬を出している」など、ルールを守らない例が続出しているということだ。確かに、スマホ一つで診療が受けられる便利さは魅力的だが、その裏には医師の「診察省略」という新しい荒業が誕生しているらしい。もはや医療ではなく、「診療ごっこ」の域に突入しているのではないか。
実際、オンライン診療が始まった当初から「本当に適切な診察ができるのか?」という懸念はあった。しかし、医師が画面越しに「うん、なんとなく風邪っぽいね」くらいで薬を出しているのなら、それはもう医療ではなくリモート占いの世界である。特に向精神薬の問題は深刻で、これを初診で処方するのはルール違反どころか、もはや「合法的ドラッグディーラー」と言われても仕方ない。
厚生労働省もさすがにこの状況を放置できず、法改正に乗り出すようだ。だが、こういう規制強化の話になると、決まって「オンライン診療の利便性が損なわれる」とか「医療のデジタル化に逆行する」みたいな声が上がる。しかし、そもそも診察せずに薬を出すような状態がまかり通るなら、もはや医療業界も「スマホで完結する適当ビジネス」の仲間入りを果たしたと言っても過言ではない。そんな世界線では、いずれ「スマホで診断、AIが薬を処方、ドローンで配送」みたいな未来が本当に実現しそうだ。
とはいえ、こうした問題をすべて「オンライン診療が悪い」と片付けるのも短絡的だ。便利なシステム自体は悪くないが、それを運用する人間のモラルが追いついていないのが問題なのだろう。結局、どんなに良い技術も、使う側が適当なら適当な結果しか生まないということだ。そう考えると、オンライン診療の問題より先に、人間そのもののアップデートが必要なのかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます