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松山市保健所は20日、井門町にある飲食店「広島江田島産カキ小屋 松山出張所」で食事をした10~30歳代の男女4人が、吐き気や下痢などの症状を訴えたと発表した。そのうち3人からノロウイルスが検出されたが、幸い軽症で快方に向かっているという。
さて、またしてもノロウイルスがやってきた。冬の風物詩、牡蠣とノロのシーズン開幕である。もはや人類の年中行事のようなものだ。カキを食べるとノロに当たるのか、ノロがカキを食べさせているのか、これは鶏と卵の問題に似ている。もしカキが高度な知性を持っていたら、「我々はただ海で静かに暮らしているだけなのに、勝手に捕まえて食っておいて文句を言うとは何事か」と怒っているかもしれない。むしろ人間こそ、カキによって試されているのではないか?
そもそも「広島江田島産カキ小屋 松山出張所」という店名がすでにカオスだ。広島なのか江田島なのか松山なのか、情報量が多すぎる。次は「京都奈良兵庫産神戸牛 大阪出張所」みたいな店が出てくるのではないか。もしくは「青森北海道産リンゴ園 沖縄出張所」とか。いっそのこと、すべての飲食店を「出張所」と名乗るルールにすれば、全国どこでも名物料理が食べられる時代が来るかもしれない。
しかし、人類はなぜノロウイルスの脅威を知りながらもカキを食べるのか? これは古代より続く「美味しいものにはリスクが伴う」という宇宙の法則の一環だろう。ふぐには毒があり、酒には酔いがあり、カキにはノロがある。つまり、美味いものほど危険なのである。逆に言えば、何のリスクもない食べ物は、それほど魅力的ではないのかもしれない。たとえば、ふわふわの食パンや無添加のゼリーにスリルを感じる人はほとんどいないだろう。
結局のところ、ノロウイルスは人間に「お前たちの覚悟を見せろ」と試練を与えているのではないか。食の冒険にリスクはつきもの。安全第一で生きるか、スリルを求めるか、人類の進化はそこにかかっているのかもしれない。もしかしたら、未来の人類はノロ耐性を獲得し、「生カキを食べてもピンピンしている新人類」が誕生する日が来るのかもしれない。もしそうなったら、カキのほうが「えっ、もうノロで倒れないの?」と困惑する時代がやってくるのだろう。
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