今年読んだ本のメモ、七つ目。
さて。
34. 英国貴族、領地を野生に戻す /イザベラ・トゥリー(著),三木直子(訳)
大抵は図書館サイトで気になる本を予約し、到着のお知らせをもらってから取りに行く。でもこの本は図書館のおすすめコーナーに置いてあって、気になったので手に取ってみたもの。それがとても興味深かった。司書さん、good job!
ハードカバーでボリュームもあるが、中高生に読んでほしい。小学生でも大丈夫のような気がする。夏休みの読書にはもってこいだ。
ひとくくりにすれば環境保全の話だが、活動を始めたのは高尚な理由があるからでは無く平たく言えば「農業に行き詰ったから」。だから常にお金の話が付きまとう現実的な記録でもある。
また、あとがき冒頭に訳者が書いているが、タイトルの「英国貴族」、本当の階級としては貴族とは呼ばないらしい。でもまあだいだいそんな感じってのと、タイトルに細かい説明は盛り込めないってのと、貴族という言葉を使ってタイトルを魅力的にしたいという日本の出版社の意図的な誤用なんでしょうね。
日本でも良く保全活動としてXXの森とかYYが棲むとか何か特定の生物が生き続けることを目的としている場所がある。ただこの本にある活動は「人間の力である状態をキープする」ものではなく「自然に任せてしまう」もの。例えば蛍が毎年同じように見られるのは実は変で、ある年は別の虫が、ある年はまた別の動物が多く活動することだってあるはずなのだ。コンスタントに蛍が見られるのは、人間が色々な所に「整備」という名のもとに「介入」しているからで、それは実は本当の意味で自然ではない。自然は変わり続けていくものなのだ。
都会に住んでいる人間はそんなことには気づかずに、里山イコール自然なんて思ってしまったりする。草が生えているから自然、ではないのだ。
35. 皆殺し /ローレンス・ブロック(著), 田口俊樹(訳)
今回はなかなかに追いつめられるスカダー。そして例によって例のごとく最終盤でなんとかするスカダー。さらに今回は最後の最後で「おいおい」と言いたくなるどんでん返しも待っている。ねぇねぇブロックさん、そのプロット必要でしたか?
36. 死への祈り /ローレンス・ブロック(著), 田口俊樹(訳)
シリーズも最終盤に差し掛かった所で、新たな敵が登場する。そしてこの敵、XXXなんですよ。
さてさて。
本は大抵、市区町村の図書館からお借りして読んでいる。いわゆる共有財産を一時期占有させてもらっていることになるので、極力大事に持ち運び、大事に読み、大事にお返しするよう心がけている。
でもたまにそういう考えを持たない人が前に借りたのだなぁと思うものに出会うことがある。例えばこんな感じ。
飲み物をこぼしてしまうことは、不注意の結果としてありうる。でも書き込みは明らかに意図的なもので、やろうと思わなければこうはならない。一体なぜこんなことをするのだろうか。やりたいのなら自分で買えばいいじゃない。
と言いたくはなるのだけど、こういうことをする人はそんなこと気にしない。例え借り物でも自分がやりたければやる。もし誰かにこんな風に言われても「あっそう」程度が関の山だろう。だからそれを目の当たりにする側としては、イライラせず"流す"というのがメンタルヘルス的には正解なのだろう。
でもここで一つ溜飲を下げておく。どなたが書き込んだのか知りませんが、身長の換算、間違ってますよ。どうせ書くなら、ちゃんと計算しておくんなまし。
では。