今年読んだ本のメモ、六つ目。
梅雨が目覚めたかと思ったら各地でかなり暴れている。梅雨明け前にそういう状態になる事が多かったが、今回はどんなもんか。それがどんなものでも、夏まではもう少々時間がかかりそう。
オリンピックの方はつつがなく実施されそうで、こんな風に利権や階級をはっきりした形で目の当たりにすると、国民の一体感なんてもう二度と醸成されないのだろうなと何となく悲しい気持ちになる。そうしたくない、のではなく、そうしたい、のだろうな、と。
さて。
28. 世界を歩く、手工芸の旅 /青幻舎編集部(編)
自分の信じる所に思い切り良く飛び込むのは男性より女性の方だよね、という、統計にも何にも裏付けされていない勝手なイメージがさらに助長された一冊。「こんなところに日本人」というのはあながちテレビ局に盛られた話でもなさそうだ。
でも、藍染めというのは世界各地で作られているのだというのに気付く。人類は青が好きなのか、それとも偶然世界各地にあったものなのか。
29. 容疑者Xの献身 /東野圭吾(著)
別のドラマで「誰にも言いませんよう」カードというのがあった。もしその発想が湯川にあったら、この話と、時系列としてそのあとに続く話は、一体どうなっただろうか。まあ東野圭吾はそんな風な考え方はしないだろうけどね。
30. 死者の長い列 /ローレンス・ブロック(著), 田口俊樹(訳)
モチーフになっている話が結局どうなるのかは良く分からないままである。
ただ、(このくらいの年齢の多くの人が持つ感覚だと思うけど)ブロックは密かに、なんだか良く分からないけどステータスっぽいものがある集団にスカダーを入会させることで、何となく気持ちを落ち着かせたってことかな、と思ったりもした。それに、今後のネタになるかもしれないし。
31. ガリレオの苦悩 /東野圭吾(著)
ある意味「誰にも言いませんよう」カードを使うというのは、"清濁併せ呑む"資質と度量が必要。それが持てないから「苦悩」するのかなぁ、東野先生?
32. 処刑宣告 /ローレンス・ブロック(著), 田口俊樹(訳)
オチに近い部分は何となく想像できた。これはまあひねりが無かったのもあるし、敢えてひねらなかったのかという見方すらしてしまう。
このシリーズは誰かが残酷な方法で殺されたり、殺したり、性的にかなりハードな話が出てきたりする。が、個人的に好きなのはそれ以外の部分で、十作目を越えた辺りのその部分は更に気に入っている。読み続けているのは、それが理由かな。でもこのシリーズもあと四作。終わりが見えてきて、ちょっと悲しい。
33. その裁きは死 /アンソニー・ホロヴィッツ(著), 山田蘭(訳)
フォイルも見た。絹の家もモリアーティも読んだ。この小説は本人が本人として出てくるが、なんとなく道化が過ぎるような気がして読者として少々気が滅入る。エージェントと三作分の契約をした、と前作の終わりから何度も出てくるが、もう一冊この設定で書くのかなぁ。
という事で。