西成のすたるじぃ

大阪の西成区。今住んでるこの街には母方の祖父母(故人)が住んでいた。
中学に上がるまでは、夏休み冬休み春休みの大半を祖父母宅で過ごしていた。もう20年も前の話。

久しぶりに今日、祖父母宅に行った。祖母は昨年亡くなったが、4年前から施設に入っており家はずっと誰も住まないまま。
まあ実は、叔母が勝手に家財を処分したりして問題になってたんやけど。
訪れた家は、記憶にあるよりも小さかった。玄関先には枯れ土がこびりついた鉢がひとつ転がっていた。昔は狭い玄関先にいくつも鉢植えが並べてあったことを思い出す。
他には何もなく、鍵も持っていないので中にも入れず。
見ていれば何かこう、いろいろ思い出したり込み上げるものがあるかとも思ったが、特に感傷的になることもなく。
ただ、もう終わったことなんやな、とだけ思う。

そのまま、近所をぶらぶら。家のすぐ近くにあった公園は見知らぬ道路に変わってた。あそこにあった地蔵尊はどこにいったんやろ？ああ、そうや。いつも地蔵盆にでてお菓子貰うんが楽しみやったな。
その先にはわりと大きい駄菓子屋があってんけど、それも道路になってた。くじものがようさんあったけど、当たった試しがあらへんな。

よく入りに行ってた銭湯はそのままの姿で。中もそのままなんやろか。
買い物はいつもの商店街。なじみやった八百屋と豆腐屋はなくなってた。1個10円から変えたタコ焼き屋は他の店になってた。
滅多に食べさせてもらえんかったけど、大好きやったホルモン焼き。肉屋の店先でおばちゃんが鉄板で焼いてて、通りがかるとタレの匂いがたまらん。今も同じように焼いとった。

他にもいろいろあったような、ないような。


たぶんこの先、祖父母の家のあたりに行くことは無いと思う。特に何があるわけでもないんで。
だからまあ、1回ぐらいは巡っときたかった。

ま、オチもなんもなく、ただそんだけの話。




あんまりもオチがないんで、うちの近所の看板でお茶濁しとくわな。ほな。