風の向くまま 気の向くまま

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遥かなる星

2006-03-12 00:09:10 | 本とか
ずっと探していてようやく見つけました。


佐藤大輔著 「遥かなる星1パックス・アメリカーナ」
      「  〃  2この悪しき世界」
      「  〃  3我等の星 彼等の星」

佐藤大輔は私が一番好きな作家です。そしてその著作のうち、唯一手に入れてなかったのがこのシリーズでした。先日、古本屋で3巻分まとめて売っているのを見つけて買いました。
やっぱり面白い、この人の作品は。このシリーズも大いに楽しませてもらいました。
ざっくりと内容を書くと、キューバ危機が機器で終わらずに第3次世界大戦が始まり、合衆国が核で蒸発した世界。奇跡的に損害の少なかった日本が、宇宙を目指す話です。かなり省略しまくってますが。

私がこの作家が好きなのは、まあミリタリー系(だけではないですが)であるということもありますが、その重厚な文章力と登場人物たちのかっこよさ、しぶさそしてその逆もあるという部分。そしてなんといっても会話に惹かれます。
たとえば「遥かなる星」2巻のクライマックスの会話。

中略
『わかったよ。そのうち俺が空よりももっと高いところにいったときは、道案内頼むぜ』
『任せとけ。俺は友達を大切にする男だよ。ああ、それから。これが最後の頼みだ』
『なんだ』
『ベムたちには、おれがあの時死んだって報告してくれ。たのむよ』
『そして俺に苦悩しろってか?了解、戦友』
『じゃあやってくれ、俺が男じゃなくなる前に。一発で決めてくれ。じゃあな。マイティ以上』
『またな、マイティ。ハンター以上』
後略

事故でかつての合衆国に不時着した宇宙機。敵に囲まれた中での必死の救出作業。しかし不時着機の搭乗員の(マイティ)は負傷し、一人取り残される。そして救出作業を援護していた戦闘機のパイロット(ハンター)に、敵ごとふっ飛ばしてほしいと頼む。
その時の会話の一部です。ま、これだけ読んでもあんま分からんとは思いますが、私にはたまらなくしびれるシーンでした。他にもいろいろいい場面が盛りだくさんです。もうたまらん。

しかし、この作家。最近ぜんぜん新刊が出てこない。頼むから新刊だしてくれー。

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