日本の神様
手名椎
(てなづち)
日本神話に登場する神
大山津見神の子で、出雲の国津神。櫛名田比売の母親。
別名
手摩乳
(てなずち)
手名椎神
手摩乳
手摩乳命
稲田宮主神
稲田宮主簀狭之八箇耳
神格
手の神
稲の神
「日本書紀」では
八段本書では、このように登場しています。
素戔嗚尊は、天から出雲国の簸之川の辺りに降り立ちました。そのときに川上から泣く声がするのを聞きました。声をたよりに探していくと、ある老翁と老婆との間に少女が置いて、撫でては泣いていました。素戔嗚尊は問いて、「お前たちは、誰か。何故そんなに泣いているのだ」その問いに答えて、「私たちは、国神です。私は脚摩乳、私の妻は、手摩乳と申します。この童女は、私の娘です。名前は奇稲田姫です。
高天原を追放された素戔嗚尊は、天から出雲国の簸之川に降り立ちました。その際、出会った国津神です。
年毎に、八岐大蛇に娘を食べられてきた脚摩乳と手摩乳は、生き残っていた奇稲田姫を囲んで泣いていました。
事情を聞いた素戔嗚尊は、八岐大蛇を退治して奇稲田姫を助けました。
八岐大蛇を退治した素戔嗚尊は、出雲の清地(すが)にたどり着き奇稲田姫と結婚し、その地に宮を建てました。
素戔嗚尊は、その宮の長を脚摩乳と手摩乳に任命すると、根の国へと旅立って行きました。
「古事記」では
本文では、このように登場しています。
追放された須佐之男命は、出雲国の肥河の上流、名は鳥髪という地に降りました。この時、箸がその河より流れ下ってきました。そこで、須佐之男命は、人がその河上に住んでいると思い、尋ね求めて、上って行ったところ、老夫と老女の二人いて、少女を間に置いて、泣いていました。そこで、須佐之男命は、「お前たちは誰か?」と問いました。それで、その老夫は、「私は、国つ神、大山津見神の子です。私の名は、足名椎と申します。妻の名は手名椎、娘の名は櫛名田比売と申します」と答えました。
追放された須佐之男命は、出雲国の肥河の上流、名は鳥髪に降り立ち、その川上で出会った大山津見神の子です。
毎年、八岐大蛇に娘を食べられてしまった足名椎・手名椎は、最後に残った娘・櫛名田比売を囲んで泣いていました。
二神は、八岐大蛇を退治した須佐之男命に、娘・櫛名田比売を奉り、結婚を許しました。
祀る神社
諏訪大社上社末社・手長神社
(長野県諏訪市)
氷川神社
(埼玉県川越市)
廣峯神社
(兵庫県姫路市)
須佐神社
(島根県出雲市)
新しい知識を得た場合
随時更新予定です。