東京橋巡り
南高橋
(みなみたかばし)
南高橋は、東京都中央区を流れる亀島川に架かる橋です。
中央区道台416号線を通しています。
南高橋この橋は、亀島川の河口に位置し、関東大震災の復興事業の一つとして、昭和7年(1932年)に架けられました。橋の主要部は、明治37年(1904年)に架けられた旧両国橋の材料を利用して作られたもので、都内に現存する鉄橋のうち道路橋としては、最も古い橋です。また構造上の特徴は、トラスの一部材の端に丸い環のついた”アイバー”が用いられており、全体はピントラス橋とも呼ばれています。このため明治期の技術を今に伝える貴重なものとして、中央区民文化財に登録されています。平成28年(2016年)に、土木学会選奨土木遺産として認定されました。「歌舞伎座前より乗合自動車に乗り鉄砲洲稲荷の前にて車より降り、南高橋をわたり越前堀なる物揚波止場に至り石に腰かけて明月を観る。石川島の工場には燈火煌々と輝き業務繁栄の様子なり。水上には豆州大島行の汽船二三艘泛びたり。波止場の上には月を見て打語らう男女二三人あり。岸につなぎたる荷船には頻に浪花節をかたる船頭の声す。」(昭和9年7月・永井荷風「断腸亭日乗」より)橋梁の諸元型式 下路式単純プラットトラス橋橋長 63・1m有効幅員 11・0m(車道6・0m 歩道2・5m×2)着工 昭和6年1月竣工 昭和7年3月総工費 76、600円施工者 東京市平成28年11月 中央区
中央区民文化財南高橋所在地 中央区新川一丁目(亀島川)湊一丁目創架年代は、昭和六年(一九三一)に起工、同七年三月に竣工。現在の南高橋の地には江戸時代には木橋は架橋されておらず、亀島川上流に高橋があったのみでした。大正十二年(一九二三)の関東大震災ののち、街路の大規模な区画整備が行われた時に当時の本湊町と対岸の越前堀一丁目との間の亀島川に新しく橋を架けることになりました。東京市は、多くの橋を改架したため、予算も乏しくなりました。そのため明治三十七年(一九〇四)に改架され、大震災で損害を受けた隅田川の両国橋の三連トラスの中央部分を補強し、橋幅を狭めて南高橋として架設したのです。都内において、珍しくも明治三十七年のトラス橋の一部が現在に残ることとなり、その意味でも近代の土木遺産として貴重です。都内に残る鋼鉄トラス橋としては江東区に移転した八幡橋(弾正橋)についで二番目に古く、車両通行可能な鋼鉄トラス橋としては全国で六番目に古い橋梁になります。区民有形文化財に登録されています。平成十四年三月中央区教育委員会
所在地
東京都中央区新川2丁目ー中央区湊1丁目
最後に
名所江戸百景巡りの際、都内に残る鋼鉄トラス橋・八幡橋(弾正橋)に次いで二番目に古い、南高橋に出会うことができました。
川の流れを表現したのでしょうか?親柱に施された模様が可愛らしい。
一部とはいえ、明治三十七年のトラス橋が現在も現役で活躍しているとは、なんともありがたいことです。
その姿を後世まで、是非とも残して欲しいと思います。