新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

これから自分はどのように働いていくかを考えるために役立つかも。「人生100年時代、AI時代、グローバル時代 これからの働き方を哲学する」

2018年12月14日 | 新刊書
人生100年時代、AI時代、グローバル時代 これからの働き方を哲学する
小川 仁志 (著), リベラル社 (編集), ヤマサキ ミノリ (イラスト)


AIによって単純作業の多くが機械に代替されるとみられている現代において
これからどう働くかというのは切実なテーマだろう。
仕事は今なお、わたしたちの人生の基幹に位置する営みである。
これもタイムリーな一冊だろう。



単行本(ソフトカバー): 240ページ
出版社: 星雲社 (2018/12/14)
言語: 日本語
ISBN-10: 4434254995
ISBN-13: 978-4434254994
発売日: 2018/12/14

内容紹介
●どう働く? どう生きる? 考えるヒントは「哲学」にある
働き方改革が始まったけれど業務量は変わらず、ジタハラ(時短ハラスメント)が苦しい。
長い仕事人生、これからも今の働き方を続けていけるのか、不安。
数年後、AIに仕事を奪われるって本当!?
プレミアムフライデー、何それ?

私たちを取り巻く社会の変化にあわせて、働く環境も変わりつつあります。
しかし、現実には長時間労働やハラスメントなど、さまざまな問題が山積し、働き方に不安を感じる人も多くいます。
そこで必要になるのは、常識を疑い、自分で考えること。つまり、「哲学する」力です。
NHK・Eテレ「世界の哲学者に人生相談」「100分 de 名著」などテレビ出演多数の哲学者・小川仁志が贈る、「働き方」本の決定版。

著者について
1970 年、京都府生まれ。哲学者・山口大学国際総合科学部准教授。
京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。
商社マン、フリーター、市役所職員、徳山工業高等専門学校准教授、米プリンストン大学客員研究員を経て現職。
「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。
NHK・E テレ「世界の哲学者に人生相談」では指南役を務めた。専門は公共哲学。
著書に『7日間で成果に変わる アウトプット読書術』(リベラル社)、『ビジネスエリートのための! リベラルアーツ 哲学』(すばる舎)等多数。


荷風の知られざる側面を照らし出す「慶應義塾文学科教授 永井荷風」

2018年12月14日 | 新刊書
慶應義塾文学科教授 永井荷風 (集英社新書)
末延 芳晴 (著)


永井荷風が大学教授として立派に働いていたというのは
荷風のイメージにあわなかったので、驚いた。
荷風の知られざる側面、ぜひ知りたいものである。
著者の正岡子規論、夏目漱石論、森鴎外論についても、読んでみたい。
早速図書館に予約をいれてみた。




新書: 320ページ
出版社: 集英社 (2018/12/14)
言語: 日本語
ISBN-10: 4087210596
ISBN-13: 978-4087210590
発売日: 2018/12/14

内容紹介
『あめりか物語』や『ふらんす物語』『濹東綺譚』などの著者にして、稀代の好色文学者としても知られる永井荷風。
その荷風は、明治末期から大正初期にかけて慶應義塾の文学科教授として後進の指導に当たり、大学の機関誌「三田文學」を創刊。
それらを通じて久保田万太郎、水上瀧太郎、佐藤春夫、堀口大學ら門下生を文学者として世に送り出した優れた教育者でもあった。
だが、大学教授・永井荷風についてきちんと光が当たられたことはこれまで一度もなかった。
「性」と「反骨」の文学者・永井荷風の教育者としての実像と、
慶應義塾、ひいては日本の文学界に与えた功績と影響を、初めて詳らかにした渾身の評論。

主な内容
真正モダニスト永井荷風の誕生/
森鷗外と上田敏の推輓で文学科教授に就任/
三田山上に現出した「文学的自由空間」/
「三田文學」創刊──反自然主義文学の旗手として/
「三田文學」から飛び立った荷風門下生/
永井荷風が百年後の慶應に遺したもの ほか。

【著者プロフィール】
末延芳晴(すえのぶ よしはる)
1942年、東京都出身。文芸評論家。東京大学文学部卒業。1973年よりニューヨークに在住し、米国文化の批評・評論活動を行なう。
1997年、『永井荷風の見たあめりか』(中央公論社)の刊行後帰国。以後、文学評論、映画評論の分野で執筆活動を続ける。
『正岡子規、従軍す』(平凡社)で第二四回和辻哲郎文化賞受賞。『夏目金之助、ロンドンに狂せり』(青土社)
『森鴎外と日清・日露戦争』(平凡社)、『寺田寅彦 バイオリンを弾く物理学者』(平凡社)、『原節子、号泣す』(集英社新書)など多数。

タイムリーな一冊「西洋の自死: 移民・アイデンティティ・イスラム」

2018年12月14日 | 新刊書
西洋の自死: 移民・アイデンティティ・イスラム
ダグラス・マレー (著), 中野 剛志 (解説), 町田 敦夫 (翻訳)


ヨーロッパが受け入れた移民が、
みずから招いた「奇妙な死」の原因となるという見方は少し歪んでいるようにおもえるが、
日本でも本格的な移民の受け入れが開始されようとするこの時期にあって
タイムリーな一冊であることに間違いはない。



単行本: 528ページ
出版社: 東洋経済新報社 (2018/12/14)
言語: 日本語
ISBN-10: 4492444505
ISBN-13: 978-4492444504
発売日: 2018/12/14


内容紹介
英国で10万部超、世界23ヵ国で翻訳、英国のアマゾンレビュー700件超!
「サンデー・タイムズ」紙のナンバーワンブック、「イブニング・スタンダード」紙のブックオブザイヤーに輝いたベストセラー!

英国で数々の賞を受賞した若きジャーナリストが欧州の移民問題を徹底ルポ。
移民受け入れをめぐる「罪悪感」と「疲れ」がもたらした
欧州リベラリズムの死に方を克明に描く。

中野剛志氏絶賛!
「本書の著者マレーに匹敵するような優れた書き手が、残念ながら日本にはいない。
われわれ日本人は、本書を日本の<自死>として読み換えなければならなくなった」


【内容紹介】

出生率の低下、移民問題、増幅する社会への不信感、自己嫌悪感など、今日の欧州大陸を覆う閉塞感は、人々が自身の社会について議論したり社会変化に対抗する力を弱体化させ、欧州は自壊への道を進んでいる。

著者は、シリア難民や移民問題をめぐって、ベルリンからパリ、ギリシャなど欧州を横断し、難民、歓迎側、拒否側など、様々な立場の人々を取材しながら、独自の視点で、今日の欧州が自らを追い詰めていく人口的・政治的現実を分析。

欧州各国がどのように外国人労働者や移民を受け入れ始め、そこから抜け出せなくなったのか。

マスコミや評論家、政治家などのエリートの世界で、移民受け入れへの懸念の表明がどのようにしてタブー視されるように至ったのか。

エリートたちは、どのような論法で、一般庶民から生じる大規模な移民政策への疑問や懸念を脇にそらしてきたのか。

欧州が前提としてきた「人権、法の支配、言論の自由」をコアとする啓蒙主義以降の西洋近代が潰えていく様を描く。




著者について
ダグラス・マレー
ジャーナリスト
1979年生まれ、新進気鋭の英国人ジャーナリスト。英国の代表的な雑誌の一つ『スペクテーター』のアソシエート・エディター。『サンデー・タイムズ』紙や『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙へも寄稿多数。英国議会や欧州議会、ホワイトハウスでも講演を行った実績がある。ツイッターのフォロワー数は15万人を超える。本書は英国で10万部を超えるベストセラーとなり、世界23カ国で翻訳。『サンデー・タイムズ』紙のナンバーワンブック、『イブニング・スタンダード』紙のブックオブザイヤーにも選ばれた。