新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

トポロジーに関心をもつ方にお勧め「読むトポロジー (角川ソフィア文庫)」

2018年12月24日 | 新刊書
読むトポロジー (角川ソフィア文庫)
瀬山 士郎 (著)



PHPで刊行されていた「はじめてのトポロジー: つながり方の幾何学」の
文庫化と思われるこの書物は、
なかなか直観的に理解しにくいトポロジーについて
図解しながら分かりやすく示してくれます。
トポロジーに関心をもつ方にお勧めです。


文庫: 256ページ
出版社: KADOKAWA (2018/12/22)
言語: 日本語
ISBN-10: 4044003955
ISBN-13: 978-4044003951
発売日: 2018/12/22
Kindle版 ¥ 864 文庫 ¥ 864


内容紹介
数学的直観に響く!パズル感覚で楽しめる! 豊富な図版で読む入門書

三角形と円が同じ? コーヒーカップとドーナツが同じ!?――そんな「形の見方」の先に広がる数学世界とは。20世紀に大発展を遂げたトポロジー(位相幾何学)の魅力を、一筆書き、メビウスの帯、クラインの壷、ポアンカレ予想、4次元空間等の話題とともに紹介。ほとんど数式を用いず、直観的にイメージしやすいよう、豊富な図版でやさしく解説。意表をつく面白さで、パズル感覚で楽しめる! 数学迷宮への扉を開く入門書。

第1章 形とはなんだろうか
1 最古の学問としての数学
2 形とはなにか
3 相似という形
4 射影という考え方
5 ライプニッツとオイラー

第2章 つながり方の幾何学
1 幾何学が扱うこと―ひもの形と輪ゴムの形
2 オイラーの発見――筆書きとその仲間
3 部屋渡りの問題――ハミルトン回路
4 美術館の巡回路の問題

第3章 曲線のトポロジー オイラー・ポアンカレの定理
1 つながっている? いない?
2 グラフと1次元ベッチ数
3 植木算とベッチ数

第4章 曲面のトポロジー 曲面を設計する
1 曲面とはなにか
2 トーラスと球面
3 クライン管
4 射影平面
5 複雑な曲面の展開図
6 クライン管再考

第5章 曲面のホモロジーとホモトピー
1 曲面上の牧場
2 曲面を切ってみる
3 曲面のホモロジー群
4 ホモトピー/円周を縮めてみる

第6章 次元を超えて
1 次元とはなにか
2 3次元の球面
3 ポアンカレ予想

第7章 いろいろな話題
1 トポロジー玩具
2 結び目

内容(「BOOK」データベースより)
三角形と円が同じ?コーヒーカップとドーナツが同じ!?―そんな「形の見方」の先に広がる数学世界とは。20世紀に大発展を遂げたトポロジー(位相幾何学)の魅力を、一筆書き、メビウスの帯、クライン管、ポアンカレ予想、4次元空間等の話題とともに紹介。ほとんど数式を用いず、直観的にイメージしやすいよう、豊富な図版でやさしく解説。意表をつくおもしろさで、パズル感覚で楽しめる!数学迷宮への扉を開く入門書。

グノーシス研究に不可欠な資料「ヒッポリュトス 全異端反駁」の待望の邦訳

2018年12月24日 | 新刊書
キリスト教教父著作集19: ヒッポリュトス 全異端反駁
ヒッポリュトス (著), 大貫 隆 (翻訳)




長らく待たれていたヒッポリュトスの「全異端反駁」が
信頼できる大貫訳でついに登場しました。
グノーシス研究にとって貴重な文献の邦訳に注目!
少し値が張るので、地元の図書館に購入請求しましょう。
下に列挙しましたように、「キリスト教教父著作集」は貴重な資料を邦訳してくれています。



単行本: 582ページ
出版社: 教文館 (2018/12/22)
言語: 日本語
ISBN-10: 4764229196
ISBN-13: 978-4764229198
発売日: 2018/12/22
¥ 9,936

内容紹介
グノーシスの系譜学にとって不可欠かつ第一級の資料

エイレナイオスの弟子でもあった神学者ローマの聖ヒッポリュトス(170 年頃~235 年)の主著で、『哲
学誌』の別称でも知られるキリスト教的グノーシス主義への反駁書。古典文献を博覧強記で引照し、グ
ノーシス諸派の教説をギリシア哲学の盗用と強弁して厳しく論難する。本邦初訳。

著者について
1945 年静岡県生、1980-1991 年東京女子大学、1991-2009 年東京大学大学院総合文化研究科、2009-2014 年自由学園最高学部勤務、現在東京大学名誉教授。
主な編著書 『グノーシス考』『グノーシス 陰の精神史』『グノーシス 異端と近代』(共編著)『グノーシス「妬み」の政治学』(以上岩波書店)、『ロゴスとソフィア』(教文館)、『グノーシスの神話』(講談社)。
主な訳書 『ナグ・ハマデイ文書』全4巻、『グノーシスの変容』、クルト・ルドルフ『グノーシス』(以上共訳、岩波書店)、ハンス・ヨナス『グノーシスと古代末期の精神』全2巻(ぷねうま舎)、『キリスト教教父著作集2/I エイレナイオス1』『同2/II エイレナイオス2』『同3/III エイレナイオス5』(教文館)。

キリスト教教父著作集には次のようなものがこれまで出版されています。


■ストロマテイス(綴織)
[アレクサンドリアのクレメンス著] ; 秋山学訳
教文館 2018.1-2018.5 キリスト教教父著作集, 第4巻/1-2 . アレクサンドリアのクレメンス||アレクサンドリア ノ クレメンス ; 1-2
■ケルソス駁論
オリゲネス[著] ; 出村みや子訳
教文館 2016.1
■初期護教論集
[メリトン, アリスティデス, アテナゴラス著] ; 加納政弘, 井谷嘉男訳
教文館 2010.3 キリスト教教父著作集, 第12巻
■倫理論文集
[テルトゥリアヌス著] ; 木寺廉太訳
教文館 2002.12 キリスト教教父著作集, 第16巻 . テルトゥリアヌス||テルトゥリアヌス ; 4
■異端反駁
エイレナイオス [著] ; 小林稔訳
教文館 1999.5-2017.9 キリスト教教父著作集, 第2巻/1-2, 第3巻/1-3 . エイレナイオス||エイレナイオス ; 1-5
■第一弁明、第二弁明、ユダヤ人トリュフォンとの対話「序論」
ユスティノス[著] ; 柴田有, 三小田敏雄訳
教文館 1992.11 キリスト教教父著作集, 第1巻
■殉教者行伝
土岐正策, 土岐健治訳
教文館 1990.7 キリスト教教父著作集, 第22巻
■護教論(アポロゲティクス)
テルトゥリアヌス著 ; 鈴木一郎訳
教文館 1987.11 キリスト教教父著作集, 第14巻 . テルトゥリアヌス||テルトゥリアヌス ; 2
■プラクセアス反論 ; パッリウムについて
テルトゥリアヌス著 ; 土岐正策訳
教文館 1987.10 キリスト教教父著作集, 第13巻 . テルトゥリアヌス||テルトゥリアヌス ; 1
■ケルソス駁論
オリゲネス[著] ; 出村みや子訳
教文館 1987.9- キリスト教教父著作集, 第8,9巻 . オリゲネス||オリゲネス ; 3,4

医学の分野でも傑出していた「聖ヒルデガルトの『病因と治療』を読む」

2018年12月24日 | 新刊書
聖ヒルデガルトの『病因と治療』を読む
臼田 夜半 (著)


中世の聖女として有名なヒルデガルドは、
わたしたちにはその作曲でなじみですが
ホリスティック医学の分野でも先駆者だったということは知りませんでした。
珍しい著書の邦訳に注目。




単行本: 256ページ
出版社: ポット出版プラス (2018/12/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4866420081
ISBN-13: 978-4866420080
発売日: 2018/12/23
単行本 ¥ 3,024

内容紹介
「人はなぜ病むのか」を、天地創造から掘り下げる――。
「中世ヨーロッパ最大の賢女」にして「ドイツ薬草学の祖」、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンによるホリスティック医学の古典、『病因と治療』が、ついに日本語訳となりました!
名著『フィジカ』と対をなす1冊で、ヒルデガルト医学はこの2書に集約されます。
本書『病因と治療』では、心身の病の原因と治療法を500項目以上にわたって詳細に解説。
ヒルデガルト自然学・医学の研究者、ハーブ研究家、セラピストの必読書です。

目次
はじめに 臼田夜半……11
英訳第二版序文 プリシラ・トゥループ……47
凡例……54

BOOK Ⅰ 宇宙と元素……55
BOOK Ⅱ 人間の本性と病の原因……101
BOOK Ⅲ 治療法(1)……289
BOOK Ⅳ 治療法(2)……317
BOOK Ⅴ 生と死の兆候・月齢と気質……363

あとがき 臼田夜半……402
参考文献……408
索引……414

前書きなど
本書の大まかな構成では、BOOK I で世界の創造と諸元素、太陽・月・星と自然の諸力などを扱い、BOOK II では病気の原因を求めてアダムの堕落から体液論へ、男女の性衝動から受胎論を経て魂の働き、そして諸病の原因に及ぶという内容になっている。BOOK III 以降は、BOOK II にみた各々の病気の原因に対応する具体的な治療法を示すのだが、BOOK III の冒頭には、わざわざ「神の啓示による以下の治療法」という断り書きが記されている。BOOK I 、BOOK II の神学的分野ならいざしらず、具体的な治療法や処方に関しても、これは神の啓示、すなわち神に託された預言であると、ヒルデガルトはいっている。
(中略)
入浴や食事・飲酒に対する寛容な態度を含め、その療法の全体から、ヒルデガルトという個性のもつおおらかな一面と、透明な精密さとを感じ取るのは、おそらくわたしだけではないだろう。本書が五感のすべてを通して読み進められることを願っている。
(「はじめに」より)