一定以上の年代のバイクファンなら、言わずと知れたこの1台。
スズキ・ファルコラスティコだ。
1985年に開催された第26回東京モーターショーに姿を現したこのコンセプトバイクは「白いハヤブサ」を意味するファルコラスティコと名付けられ、その斬新なフォルムと先進的な機構で会場の注目を独占した。
「あと10年もすれば、こんなバイクに乗れる日が来るんだ」
きっとそう思ったライダーも多かったに違いない。
残念ながら未だその日は訪れず(「ハヤブサ」は登場したけどね(^^;))、それどころか一部のバイクは退行の兆しさえ見せているケド……。
それはさておき、このファルコラスティコ、外観上目が行きがちなハブセンターステアリングやガングリップタイプのハンドルバーとは別に「チェーンも、ベルトも、シャフトも持たない」ことにお気づきだろうか。
とかくいろいろな部分が「ご都合」にて省略されがちなコンセプトバイクだが、このファルコラスティコにおいては「駆動系が見えない」ことにも、しっかりとした裏打ち(設定?)があった。それが「油圧駆動」だったのだ。
時は流れて2008年の今日、ふと見つけたこんな記事。
聞き慣れない「油圧ハイブリッド」なる技術を用いて、燃費50%向上、排気30%の減少を実現することができるというのだ。
「エンジンからポンプに動力を供給して、高圧のアキュムレーター(蓄圧器)内の油圧油を圧縮し、それによって車輪につながったポンプ・モーターを駆動」するというこのシステム、「従来のような動力伝達系や変速機を使わず、エンジンが常に最大効率で動く」とか「制動時にはポンプ・モーターが逆転し、制動エネルギーの70%以上を回収できる。これは、電気ハイブリッド車で使われる回生制動システムで回収できる量の3倍近くだ」など、夢のような技術であるらしい。
エコなだけでは燃えないのがバイク乗りだが、「アクセルを離した際のトルク制御が優秀」なんてくだりを読むと、思わずそのドライバビリティを味わってみたいと思ってしまったりする。
ファルコラスティコの登場からまもなく四半世紀。
あの頃夢の彼方だった21世紀の技術を用いて、今こそ「未来のバイク」を作ってほしい。そんな夢想を抱いたひとときだった。
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一度乗ってみたいバイクなんですけどね。
それは由々しき事態ですなっ!
>slotさん
ありましたねぇ>2TRAC
あれは補助的な駆動という印象でしたけど、
主駆動に使ったらどんな風になるんでしょうか。
>ローライダーさん
「流星号!流星号!こちらジェッター!」
みたいな感じで、タイガーも呼んだら来てくれるとイイんですけど(笑)
>POPさん
ライダーとはいつもそういう矛盾を抱えた人種なんですよね~(笑)
この後NUDAっていうのも出してましたね。
液圧駆動は凄いと思いましたが、エンジンがスクエア4の500ccでトリプルオーバーヘッドカムシャフトだったという事は知られていない真実のようですね。
こんなのアリエルのエンジン位しか思い浮かばないです。笑
ちゃんとした雑誌には書かれていましたね>3カムシャフト
真ん中のカムシャフトは前後のシリンダー列で共用できるわけですよね。スクエア4を合理的と思ったのはこれを知ったときが初めてでした(笑)。2ストのスクエア4は、未完成なV4にしか見えませんでしたから。(^^;)
もう一つの先進装備としては「電磁パウダブレーキ」ってのが装備されていましたね。今ではCVTなどのクラッチ回りに使われているようですが、二輪では目にすることができない技術です。
こうした「裏設定(?)」の緻密さも、ファルコラスティコの大きな魅力だと感じます。ある意味ガンダムの世界みたいですね(笑)