お仕事開始までの残りわずかな時間。
ロマンチック街道ことR299のとばぐちだけでも味わおうとした刹那、それは起きた。
大きく回り込んだ登り左コーナーで、思わず右手の景色に目をやると、そこには残雪を湛えた南アルプスの山並みが。
「あれをバックに白虎の写真を撮りたいナァ」
そう思ってコーナー内側に目をやると、おあつらえ向きの空き地がそこに。
比較的フラットなダートに見えたそこへと白虎を乗り入れた先には、一見変哲のない4輪車の轍が数本。
軽~く乗り切って……と思ったその瞬間、見た目とは大違いにズシリと重たい粘土質の凹凸面は、無情にも白虎の前脚を捉えて離さなかったッ!
のて~ん!(←ダサッ!)
……てな感じにて、なんと白虎2度目の横転を体験。
厄介なことに、倒れた車体の向きは、緩い下り傾斜方向(写真の画面奥方向デス)。
トップケースなどの重量物を外して引き起こしを試みるも、わずかとは言え傾斜に逆らって200kg超の物体を動かすのは容易ならざる大仕事だ。
軽量なオフ車ならこんな苦労はないし、もし苦戦しても倒れたままの車体を回転させて向きを変えてから引き起こすという手もある。
だが今回その手を使えば車体のダメージは免れないだろうし、そもそも凹凸のある地面で上手く回せる保証もない。
いや~こりゃ参った。
仕事の集合時間まではもう20分ほどしかない。
今からJAFを呼んでいたりしては時間に間に合わないのだ。
どうする……?
そこに近付いてくる何台かのバイクのエキゾーストノート。
反射的にコーナーへと身を翻す。
「おお~い!」と両手を頭上で振り交わしながらアピール。
不審そうながらも停まってくれたのは、ヤマハT-MAXなどを中心にした数台のツーリンググループだった。
斯く斯く然々で……と事情を説明すると、メンバーの2人が力を貸してくれることに。
自分を含め3人で掛け声もろとも引き起こすと、白虎は軽々いつもの姿勢を取り戻した。
不幸中の幸い、タンクやシュラウドを含めて車体はほぼ無傷。奇跡的にもエンジンガードと左バックミラーに若干のスリ傷ができたのみだ。
微量のガソリン漏出もあったけれど、これは車体が斜面下に向かって引っくり返っていたのだから仕方あるまい。
ウエスで拭うとそれ以上の漏れはないようだ。うん、大丈夫。
手伝ってくれた皆さんに深く頭を下げて感謝。
楽しいツーリングをお邪魔してごめんなさい。
もちろん自分の身体も無傷。
いそいそと装備を整え直して、いざ現場へ。
……だがしかし、悲劇はこれで終わらなかったのだ。
以下次号。完結編(の予定)。
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どんな感激が待ってるのか、気になりますねえ。
あっ(いろんな意味で)先輩、ようこそ!(爆)
感激はですね~ 無傷のバイクへの買(ry
ジーンズの上から右足をジュージュー焼き放題したことがあり
それ以来町乗りでもカーゴパンツとニーシンガード必須です。
被害軽微でまずはなによりでした。
通りかかったバイクの皆様にも感謝ですね。
(もしかしたらどこかのブログ等に載ってたりして)
でもまだ続くなんて、サスペンスドラマの
最後のおち前でCMに入ったような気持ちですよ。
ドキドキ。
やはり展望スペースとかパーキングスペースの路面には
魔物が棲んでるのよ…(そんなに遠くない目)
人馬ともご無事でよかったよかった。
あ。まだ続くんだ?悲劇。ToT;
私も忘れた頃にヤっちゃう習性があって、
TDMのマフラーは片方だけ微妙に内側に寄ってます(恥)
でもケガが無くてなによりでした。
次の悲劇っていったい…??
怪我が無くて良かったですね。
単二さん位の体格や体力があれば楽々…って思えたりもするんですが(笑)
一難去って?
自分も以前Z1-Rのサイドスタンドを出し忘れてそのまま左に倒し込んだ事が有ります。
暫くZ1-Rの鉄布団を笑いながら楽しみました。笑
それはさぞ香ばしい匂いがしたことでしょう(爆)
>はっしぃさん
ま、悲劇ったってそれも楽しみですから。(^^;)
ともあれ助けてくださった方には深謝です。
>なおネィさん
笑った(^^;)>そんなに遠くない目
>YASHさん
ええ。足が着こうがなんだろうが、ダメなときはダメなもんです。
大柄かつ達人である某柏さんでさえ、ダメなときはダメですから(笑)
>くにさん
そうとも! やるときゃやるよ!!(爆)
>HIROさん
車速のない状態である程度傾いちゃえば、体格なんて関係ないッス。五輪重量挙げ選手並みのフィジカルがあれば別でしょうけど(^^;)
>KAZさん
仕事の時間が迫ってなければ笑ってられたんですけどね~(^^;)