許してください（２）

てなわけで、ほんの出来心から試乗に至った「アイツ（↑）」。

悪い予感はしていたのだ。
「これに乗っちゃイカ～～～ン！」
……みたいな心の叫びがどこかで響いてたし（笑）。

折しもこの日が「KTMオンロードモデル試乗会」だったのが運の尽きというかなんというか（別にその日を狙って行ったわけじゃないからねッ！←ツンデレ風味）。
ともかく、コイツにまたがったボクは、いつもの試乗コースへと走り出した。

その刹那……「！！！」
背筋にゾクリと走るこの感覚！（悪寒じゃないっすよ(^^;)）

コイツに最初に感じたこと。
それはまったく質量を感じさせないってこと。
走り出しから、最初の交差点をクリアするまで、まったくもって重さを感じないのだ。

下手な峠のコーナーより時に難しく感じるのが交差点での直角ターンだけど、コイツの場合、視線をただ行きたい方に向けるだけで方向転換はすでに終わっている。

「……え!?」

信じられない思いで交差点と、いくつかのコーナーを抜け、スロットルをワイドオープン。
その瞬間、信じられない勢いでリヤタイヤが路面を蹴飛ばす──このトラクション感覚！

オマケにコイツのブレーキときたら、これまた異次元感覚。
すべてが「モノホン」ブレンボ製でかためられてるのはDUKE2も同様だったが、10年の歳月はブレーキシステムをも別物に進化させていた。
「これならDUKE2より短距離で止まれるかも……」と本気で思える超絶制動力＆コントロール性なのだ。
オフロードバイク然としたリヤブレーキペダルだけは、ペダル面が小さく、踏み外しやすいのが気になったけれど、逆にそんな些細なことしか気にならない出来ってことだろう。

ハンドルバー幅が先代950SM比で3センチほど詰められていると聞いたが、その効果もてきめん。車体の軽快さやエンジンのレスポンスとも相まって、路肩のすり抜けもリッターバイクとは思えないほど楽ちんなことに驚かされた。

「……すっげぇ……」

思わずつぶやきながら、ほんの数キロの試乗コースはあっという間に終了。

試乗を終えた瞬間、おもわず自分の着座ポイントと、パッセンジャー側のシートの残りしろに目をやると、意外なほどにしっかりスペースが確保されていることになぜか安堵する。

「コイツなら、カミさん積んでも軽快感アリアリで楽しめるんじゃ……」
それはもう疑問じゃなくて、ほとんど確信に近い直感だった。（またもや続く）