３セット目突入

　
昨年末の伊豆ツーリングで使い切った感のあるタイガーのタイヤ。
新車時のミシュラン・パイロットロードから履き替えた、同じミシュランのパイロットロード２は、過酷なわが家のタンデム環境にも良く耐えて、10,000km以上のライフを刻んできた。

とは言え、トップ絵を見ての通りさすがにお疲れのご様子。フロントはまだ少しは使えそうなものの、リアはご覧のように摩耗が進み、スリップサインは出るわパターンはささくれ立つわと、このあたりで「お疲れさん」してあげなくてはなるまい。

KTM990SMのタイヤ交換でも候補として浮かびながら、なかなか日本に入ってこず、使えなかったのがピレリのエンジェルST。その日本上陸がようやく３月半ばと発表されたものの、現状がこんな具合のため、待つかどうするか悶々とした日々を送ってきた。

そこに登場したのがブリヂストンからの新製品・BT-023だ。
パイロットロードと同じスポーツツーリングカテゴリの製品だが、前作のBT-021はパフォーマンス方向に振りすぎて、ライフその他の性能面でバランスが崩れていると聞いていた。そのさらに前作のBT-020は、以前TDM850で履いていて好バランスではあったものの、これといった印象に乏しかったこともあって、この間BSから遠ざかっていたのだった。

果たして新製品のBT-023は、原点回帰的なウェルバランスを目指して開発されたとの由。その方法論は、新素材の投入によって従来以上に多量のシリカ配合を可能にするというもので、これはエンジェルSTと極めて近い方向性。要は温度依存性を下げつつ、レイングリップを上げ、ライフも伸ばすという欲張りなものだ。



BSのタイヤらしく、理詰めではあるんだろうけど、今ひとつエモーショナルな感じに乏しいトレッドパターンは好みじゃないんだけど、このBT-023には「奥の手」があった……！

それが「GTスペック」の設定だ。
曰く「パタンデザイン（フロント）は、GTスペック専用パタンを採用。重量車でも快適なハンドリングを実現した」
また曰く「フロントタイヤは内部構造にクロスベルトを採用。リアタイヤはMS-BELT（モノスパイラル・ベルト）にベルト（ブレーカー）を1枚追加。剛性を十分高めることによって、軽快性と積載時安定性を発揮する」
とのこと。

つまり、パターンや構造を含め、BMW-RT系など乾燥重量が250kgを超えるような重量級ツアラーをターゲットに開発されたスペシャル仕様のタイヤというわけだ。

我がタイガーはというと乾燥重量は200kgをわずかながら切る198kg。フツーに考えたら、このタイヤのターゲット外となる。しかしながらわが家の場合、ここに常時もう１名の乗員と、さらには３ボックスパニアが加わることになる。泊まりのツーリングでは、バイクにとってフルペイロードに近い状態になっているのだ。

そこでタイヤ屋さんに相談してみると……「BT-023GTは、まさにそういう使われ方をされるユーザーさん向けに開発された商品ですよ！」との回答が。

なんて商売上手なんだ！（爆）

というわけで銘柄決定。
……と思ったら、初回入荷分は完売（しかも現在メーカー欠品中だそうです）と言われてガクッと来たのだけれど、逆転キャンセルが発生。あれよあれよの展開で、新製品発売日装着が実現したのだった。

てなわけで、じゃーん！



サイドウォールの「GT」ロゴも誇らしげであります。

今日のところは皮むきに出る余裕もなく、若干の寄り道含むお店からの帰路30km少々の走りのみだけれど、Z6のときのような過剰ワックスによるおっかなさもなく、挙動は至極素直で軽やか。後席乗員によれば、乗り味が少し硬質になった（路面の凹凸による突き上げが硬い）とのことだけれど、これは重量車対応のための剛性ＵＰによるんだろうなと推測。いずれにしても基本好印象ナリ。

春までに、じわじわ皮むきと乗り手の慣熟を進めておきたいものです。(^^)

ちなみに

Fフェンダーのビブ君は留任。

次回はまたミシュランに戻るかもしれないもんね（笑）。