KTM期待のニューモデル、125DUKEに乗ってきた。
このメーカーにしては珍しい全国試乗キャラバンが展開され、すでにたくさんのライダーがこのバイクの楽しさをブログで、あるいはツイッターで発信している。
125ccというクラスは原付二種の上限排気量にあたり、四輪車のドライバーであれば、任意保険も自動車の「ファミリーバイク特約」でまかなえる一方、「原付(一種)」の30km/h規制や二段階右折など、不条理かつイマドキの交通状況の中では命に関わる恐れさえあるルールの縛りから自由になれる「穴場」だ。また、慢性渋滞に喘ぐアジア各国でも日常の足として愛用されていて、市場規模からみても、今一番大きな可能性のあるクラスと言えるかもしれない。
この125DUKEというバイクは、KTMがそんな激戦区に投入した戦略モデルだ。クオリティを維持しながら競争力のある価格を実現するため、生産や主要パーツの調達はインドで行われている。
実車に触れてみても、安普請という感じはまるでなくて、モータリゼーションが急速に進むインドの自動車産業が、部品メーカーを含めた幅広い成長を遂げていることが実感できる。フューエルキャップがエアプレーンタイプになってるのも羨ましかったなぁ。ウチの990SMもああだったらよかったのに。
……と、能書きはこれくらいにして、実際125DUKEを走らせてみよう。
車体は125ccらしくコンパクトにまとめられているけれど、ハンドルバーやシート、ステップの配置はよく考えられていて、身長185cmの僕でも破たんのないライポジが取れる。
一方、他の試乗ライダーを見ると、小柄な人でもしっかり対応できていたので「体格を選ばない、もしくは非常に間口の広い車体設定」と言っていいと思う。
エンジンはユーロ圏の規制上限である15馬力を発生するDOHC4バルブ水冷単気筒。もちろん排気量が排気量だけにパワフルってわけにはいかないけれど、そこはさすがのKTM。ソリッドな回転フィールとレスポンスの良さは、日本の同クラスに多い実用車的なもっさり感とは別物。ビッグマシンに乗ってると忘れがちな「高回転キープ」なんて言葉を思い出させる楽しさが一杯なのだ。
イベントでの、限られたクローズドコースでの試乗だから断定的なことは何も言えないけれど、車体はもう掛け値無しにクラスを超えたレベルを感じさせるもの。
自分の場合は体格的に着座位置が後寄りにならざるを得ず、前輪荷重が不足気味になるせいか、ステアリングが落ち着きに欠ける気もしたけれど、これはモタードライクな車体よろしく、タンクの上から荷重掛けるくらいの勢いで走れば逆にしっくり来る問題とみた。ブレーキはノープロブレム。制動時の安定性もスバラシイ。
まぁそんな具合で、これは実に楽しい1台だと思う。
かつて日本のバイクメーカーを支えていたのは、米国市場の「プレイバイク」需要だった。
ホンダXRやヤマハTT、スズキDRなどのオフロードバイクが、それこそ年間数万台も売れ、アメリカの広大な原野を走り回っていたのだ。
時代は変わって、現在バイクメーカーを支えているのは、アジア圏の旺盛なバイク需要。それらは当初、生活の足でしかなかったけれど、これらの地域の生活レベルが上昇するに従って、バイクにも別の価値が求められるようになってきている。そんな市場の変質をとらえて、この新しい地域でのライダーたちが求める「プレイバイク」が摸索されているのが今なんじゃないだろうか。
DUKE125は、そんなトレンドの最先端にあるバイクなのだ。
で、僕にとっての結論は……。
パス(笑)。
おサイフ、置き場所、そして「プレイ」する自分の伸びしろ。どれもがいっぱいいっぱい。
幸いにしてすでに多くの予約を抱えているというDUKE125が、一人でも多くの将来あるライダーのもとに届くようにと祈って、今回僕は遠慮しておくね。
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どーもです。
なるほど~よく出来たちびモタードっぽいんだ。
「高回転キープ」思い出すなんて結構ピーキーなのかな・・・ますます魅力的w
密かにガレージに配備されることを期待してたけど、
パスかぁ~
まぁ確かに単二サイズwでは無いと思うけど・・・
いま一番気になる存在なだけにちょっと残念^^;
自分で買えって?もうそんなお金ありません;;
でも、オレンジキャラバンそんなに盛り上がってるんだ
そんなに予約が入ってるならそのうちそこらへんで見かけるようになるかな・・・
乗ってて楽しいバイクがほしーけどもう買えない ふぁい@でした。