一人旅

僕がバイクに乗り始めたのは大学生だった頃。
今どきの高校生は言葉すら知らないらしい「３ナイ運動」の時代だけに、高校時代にバイクに乗るなんてことは夢のまた夢だった。第一、そんなお金なかったしね。

大学に入るや必至こいてバイトにいそしみ、中免を取って通学用のスクーター（ヤマハのトライだったなぁ）を買い、さらにバイトを増やしてようやく買ったのが、当時流行のレーサーレプリカより優に数十万円安いオフロードバイク、XLR250Rだったのだ。

いざバイクを手に入れると、今度は一気にバイトを減らし（無くすとガス代が無くなるから無くせはしないんだけど）、ヒマさえあればツーリングに出かけた。当時まわりにバイク仲間はいなかったし、隊列を組んで走るのもおっくうだったから、自然とそれは一人旅の連続に。

そんな一人旅も、旅先ではいろいろな出会いもあって、決して寂しくはなかったんだけど、訪れた先で撮る写真には、今となっては笑うしかない「寂寥感あふれるバカちん」が写っていたりする。

トップ写真はXLRで一人訪ねた中尊寺での一コマ。
三脚立てて「顔出し弁慶」やってる僕の前を、クスクス笑いながら女の子たちが通り過ぎていった……。青春の赤恥。