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医学に関する「なぜ?」を見逃さない。
日々感じる医療の疑問に役立つような情報を綴っています。

「食卓塩」と大動脈の太さが同じ

2020-08-08 11:35:27 | 高血圧
瓶に入った赤いフタの、100円で買えるあのよく見る「食卓塩」ありますよね。

昔解剖実習をしたとき、心臓から出ている大動脈の太さって食卓塩の瓶くらいだなと思ったことを覚えている。
1分間に心臓が送り出す動脈血の量は4~5リットルもあります。結構多い!!

脈が1分間に70回の人なら、脈拍1回につき60mlくらい送りだしていることになる。だからこのくらい太くないと送れないのです。

年をとってくると動脈が硬くなってきます。高血圧だけですめば良いけど、血管が詰まって血流が滞ったら大変。もし脳に血液がいかなくなったら? 大変ですよね。

日本食は塩分が多いです。
私は海外で4年程働いていましたが、久しぶりに帰国するといかに日本食が塩と醤油がたくさん使われているかわかります。
例えば焼き魚は既に塩気があるのに、さらに醤油をかけたり、お味噌汁を飲んだり、お漬物まで食べることもありますよね。
お刺身も醤油を結構つけますね。煮物も醤油が入っています。ラーメンやうどん、おそばも汁には塩分たっぷりです。

塩分とりすぎに気を付けて過ごしましょう!
もし食品の成分表示にナトリウムしかなければ、その値に2.54をかけたら食塩相当量になります。

脳卒中かな?と思ったら

2020-08-08 10:57:45 | 脳の病気
脳卒中とは、脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血の総称。
日本では脳梗塞が75%を占めます。

脳卒中で倒れた人は救急車で運ばれる人が多い。

でも、急にお茶碗を持っている手に力が入らなくなったとか、急に足がしびれだしたとか、口が動かしにくく話せなくなったとか、こういうエピソードがあって、家族が心配して病院に行くパターンも多い。

こんなとき、「脳外科」とか「脳神経外科」に行く人が多いけど、「脳神経内科」とか「神経内科」に行くのが正解。

脳神経内科は、実は当直で救急車が来たら呼ばれる科トップ2。
脳卒中でも、頭を開ける手術をしなくても、薬など内科的に治療することのほうが多いのです。

出ている(または出た)症状でだいたい脳のどの部分がやられているか見当がつく。
例えば、左半身麻痺があり両眼が右を向いていたら、右側の大脳の被核という部位がやられている可能性がある。
もしこのとき両眼が左を向いていたら、大脳ではなくその下にある脳幹や小脳がやられている可能性が高い。
もし眼に異常がなく左半身麻痺だけなら頭を打って急性硬膜下血腫を起こした可能性もある。(子供だったら児童虐待疑わないといけない。)
これらは全て頭の血圧が上がるけど、もし運ばれてきたときの血圧が低かったら、血液が頭まで行かず脳が虚血になったことなどが考えられる。大動脈解離、心不全、不整脈、起立性低血圧や食後低血圧などでも起こります。

CTやMRIで詳しく検査していくことになります。

くも膜下出血はCTではわかならいこともあるので、そのときは背中から針を刺して脳脊髄液を採取する髄液検査をします。

脳梗塞は発症から一定時間内なら急速に薬を点滴して詰まった血栓を溶かすことができる可能性があります。
飲んでいるお薬によってはできないことがあるので、一緒にお薬手帳も持っていってください。
他の疾患も脳の損傷は時間との勝負。少しでも症状があったらすぐ病院に行きましょ~
一番大事なのは脳卒中起こしそうな人は一人でいる時間を減らすことだと思います!
早く発見してもらえば麻痺を残さず元に戻るかもしれない。
高齢者の一人暮らしが増えているので、ご近所の皆さんが気にしてあげられたら良いですね。


日本の子宮頚がん検診と乳がん検診受診率がなぜこんなに低いのか?

2020-08-08 10:47:00 | 婦人科の病気
日本人の検診受診率の低さは先進国の中でトップクラス。
なぜ受けないのだろう??

子宮頸がん検診受診率は日本約42%、アメリカやイギリスはだいたい80%前後。
乳がん検診受診率は日本約44%、アメリカ約80%、イギリス約75%。

日本人女性全体のがん死亡率で部位別1位は大腸だけど、それは高齢者が多いから。
30~64歳に限定すると、乳がんが1位。
そして、日本では乳がんと子宮頚がんが増加中。

それでも検診を受けない理由を考えてみました。
検診では早期発見ができてもがんになることは防げないから?
自分はならないと思っているから?
単に行くのが面倒なだけ?
特に子宮頸がん検診は恥ずかしい?
乳がん検診は痛そう?
完全に無料ではないから?

国民皆保険であり、いつでもどの病院でも自分で選んでいける日本においては、こういうチャンスがあってもあまり興味を示さない。
いつでも病院に行けない国であれば、格安で検診を受けられるとあれば来る人は多いだろう。

早期発見して治せるのであればそれに越したことはない。
検診、受けに行きましょ~!
ちなみに、子宮頸がん検診は産婦人科、乳がん検診は外科です(胸部外科など)へ行ってくださいね。

■写真はスペイン旅行時のスーパーでワイン激安に感動したときのものです😋