女性や高齢者では立ちくらみ、多いですよね。
私も小学生の頃からあります。
患者さんの中には、「最近貧血があって...」という方がいますが、患者さんのいう「貧血」が、「立ちくらみ」であることも往々にしてある。
「立ちくらみ」は実は医学的には「貧血」ではなく「起立性低血圧」です。
では、「貧血」とはなんでしょう。
貧血の中にも色々種類があって、女性に多いのは鉄欠乏性貧血。
鉄分が少ないと思って、診断されなくてもドラッグストアで鉄のサプリメントを買って飲んでいる人もいますよね。
鉄がないと赤血球は普通より大きさが小さくなります。その分数を増やして補おうと体は頑張っていますが、原料の鉄が必要です。
実は私もマラソンを走るので貧血があり鉄を飲んでいた時期もありました。
マラソンや剣道では足裏を地面につける際に足裏の毛細血管がダメージを受けて赤血球が破壊されるため、男性でも貧血になることもよくあります。
赤血球の寿命は120日なのですが、足裏で破壊されると120日経っていない赤血球も壊されるので全体的に少なくなってしまいます。
鉄欠乏性貧血では鉄分を補給すれば良いですが、鉄が体内にあっても使えずに貧血になることもあります。
妊婦さんがよく耳にする「葉酸欠乏」がそう。葉酸やビタミンB12が不足すると、DNA合成がうまくできないので赤血球がうまく作れず数が足りなくなります。数が少ない分、赤血球を大きくして補おうとして、大球性貧血というのになります。
妊婦さんは妊娠”前”から葉酸の多い食材を採っておくのが大事だといわれています。
また、食材から摂取した鉄を体が吸収するためにはビタミンCが必要です。ビタミンCは鉄を吸収しやすい状態にする鉄還元酵素をアクティブにするために必要なのです。
ビタミン=紫外線対策のイメージですが、鉄欠乏性貧血にも有効なんですよ^^
他に、悪性腫瘍や慢性炎症、遺伝性球状赤血球症、セラサミアなどでも貧血を呈します。
長く貧血が続く人は一度病院を受診しましょう。
血液内科は大きい病院にはあるけど近所にないことが多いですが、普通の内科でも大丈夫ですよ!
鉄が欠乏していない貧血なのに独断で鉄サプリを飲み続けたら逆に体内が鉄過剰になって障害をきたしますので気を付けましょう。
ちなみに私は赤血球400(女性の正常値450)と少なめですが、380くらいでも特に症状なければそんなに大きな問題にはなりません。
健康診断を受けていれば必ず赤血球の値は出るので、よほど異常があれば再検査を言い渡されると思います。忙しくても素直に従いましょう~
私の上司は再検査の催促を何度も無視する強者でしたが、再検査はちゃんと受けた方が良いですよ!
■写真はナミビアのシーフードです。全て新鮮で最高でした。