京都アニメーション放火時殺人事件の青葉被告に死刑が宣告されました。多分死刑になるだろうと予想していましたが…。
裁判員裁判だと死刑の判決が出やすいです。法律や判例にのっとる裁判官たちだけなら、世論を無視して粛々と判決を言い渡せますが、裁判員裁判だと世論の動きに流されがちだからです。
予想通り弁護士は控訴しました。批判する声もありましたが、死刑案件は最高裁まで争われるべきと思います。弁護士には弁護人の同意なく控訴できる控訴権があるそうです。
この事件が難しいのは、青柳被告の妄想状態は、統合失調症に近い状態で心神耗弱に当たる可能性が高いことです。昔なら「一生精神病院の刑」で、刑務所より扱いが悪い精神病院に閉じ込め解くことができました(;^_^A。今は精神病院も長期入院が難しいので、精神疾患で無罪になると何年かして世に放たれてしまいます。
昔からこの精神疾患と刑罰の問題は議論になってきました。宮崎勉の東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件（警察庁広域重要指定117号事件）では、精神鑑定で人格障害・精神分裂病・多重人格と様々な診断が出て、責任能力の有り無しも様々でした。結局、責任能力が問えるとのことで死刑になりましたが、猟奇殺人事件ではいつも問題になっています。
ちなみに、精神疾患患者の罪を減じる法令は欧米から輸入されたわけではなく、702年に制定された大宝律令にすでに書かれています。日本では古代から精神障碍者の犯罪に関して今と同様の判断がされていたようです。
