『ありがち日記』

文楽地方公演('16)@仙台

9月公演に行けず、しばらく文楽鑑賞できずにいたので、
今回の地方公演はできれば昼の部から拝見したかったけれども、夜の部から。

夜の部の演目は「近頃河原の達引」より、「四条河原の段」と「堀川猿廻しの段」。
生で観るのは初めての演目です。

それほど入り組んだ人物関係でもないし、前後の簡単なあらすじを頭に入れておけば、
割とわかりやすく馴染みやすい作品だなという印象。
作者や成立についてはわからないことが多い作品のようです。

祇園の遊女おしゅん、大名の掛屋の井筒屋の跡取り息子伝兵衛が物語の中心となっており、
そこに横恋慕する勘定役人の勘左衛門や、おしゅんの家族などが絡んできます。
まあどこかで見たような設定ではあります。
四条河原の段では、勘左衛門が伝兵衛に斬り殺されるんですが、
映画でいうスローモーションみたいな動きを取り入れていて、実に印象深いシーンです。
この事件を機に、伝兵衛は自害しようとするわけです。

一方、おしゅんの実家。
事件を聞いて、おしゅんが伝兵衛に殺されるんでは…、はたまた心中してしまうんでは…と
心穏やかではなく過ごしているのが、おしゅんの母親とお兄さん(職業:猿廻し)です。
伝兵衛と縁を切りなさいよというわけです。
が、みんな寝静まった頃にやってくる伝兵衛。
こっそり出ていこうとするおしゅんに気付いたお兄さんの与次郎は、
間違っておしゅんを外に残したまま、伝兵衛を家の中に入れてしまいます。
ここの与次郎とお母さんがめっちゃ面白くってね~(笑)
この後、子を想う親、妹を想う兄、恋人を想うおしゅん、伝兵衛のそれぞれの気持ちが語られ、
この段の山場を迎えます。
猿廻しで見送る兄、この猿たちの動きが可愛らしくて、ついつい微笑みながら観ちゃうんだな~。
けっこう長く猿廻しのシーンが続きますが、一人で2匹を遣っているので大変そうです(;^_^A

今回もワンコインで購入したパンフレットの床本を眺めつつ鑑賞してみました。
電光掲示板の字幕を追いかけても、現在語っている部分しか表示されなくて、
床本全体をざっと見渡せたほうがなんとなくすんなり入ってくるような気がします。
しばらくこれが私の鑑賞方法になりそうです。

お次に文楽を観る機会は、12月の公演です。
何と、「仮名手本忠臣蔵」を通しで上演するとのこと!
10時半から夜は21時過ぎまで。丸一日。
もちろん、通しで拝見予定です。自分の体力が持つかどうか…
でも何気に楽しみでもあります(^◇^) 


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