『ありがち日記』

中山七里『総理にされた男』

現実ではありえないけれど…

ストーリー:
「しばらく総理の替え玉をやってくれ」――総理そっくりの容姿に目をつけられ、俺は官房長官に引っさらわれた。意識不明の総理の代理だというが、政治知識なんて俺はかけらも持ってない。突如総理にされた売れない役者・加納へ次々に課される、野党や官僚との対決に、海外で起こる史上最悪の事件!? 怒濤の展開で政治経済外交に至る日本の論点が一挙にわかる、痛快エンタメ小説! 

すっかり感想を書き忘れていました…
1年前から読書量記録のために始めた読書アプリで、お気に入り方が感想を書いていたので気になっていたのですが、年末にやっと読めまして。あらすじにも「痛快エンタメ」とあるように、政治にまつわる小説にもかかわらず、読みやすいしわかりやすい本でした。

売れない役者が総理大臣の代理にさせられて、それを周りの誰もが気付かないという時点で、絶対あり得ない!って思うんですけどねー。しかも、驚くほど次から次へと問題が起こりまくるという。

都合良すぎじゃね?ってことばかりなんですが、政治の世界の仕組みを知る題材としては適しているというか、関心のない人にとっても興味を持てるようなものになっていて、そこは素晴らしいなと。作者の腕の見せ所ですよね。私もどっちかっていうと政治の世界には疎いところがあって、それでも夢中に読めました。

自分が今作の主人公のような立場になったとしたら…と想像してみたり、さらにはシミュレーションしてみたりするだけでも、何か変わるような気がします。おかしいところだらけに見える政治の世界でも、私たち国民一人ひとりと無関係ではないのですからねー。

図らずも勉強になった一冊でした。

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