「小説新潮」で2014年にクリスマスの特集が組まれたようで、それを編集、文庫化したものだそうです。
なぜ正月にクリスマスの本かというと、この文庫が発売されたのは昨年11月だったのですが、
別の本を読んでいるうちにクリスマスが過ぎてしまってて…(しかも積んだまま忘れてて…)
慌てて年末年始のお供にしたのでした。
次のクリスマスまで待つのも…ね…(^^;)
6名の作家による短編集で、うち私の好きな三浦しをんさん、恩田陸さんも名を連ねていたので購入。
他に、浅井リョウさん、あさのあつこさん、白川三兎さん、伊坂幸太郎さんです。
もちろん、クリスマスにまつわるお話。
一話目と二話目の浅井さんとあさのさんのストーリーにぐいぐい惹きつけられ、
クリスマスにはこんな奇跡もありだなぁ…としみじみ感じ、ほっこりとしているところで、
三話目は伊坂さんのサンタクロース業(?)のお話。
あれ、これ読んだことある…と思ったら、すでに『ジャイロスコープ』に掲載されてたようです。
でもこういう設定は好きですね~。夢があります^^
からの恩田陸さんの四話目。
さすがですね~恩田さん。思わずクスリと笑ってしまいます。
設定は、だいぶ未来の日本って感じでしょうか。
ある程度の文明はあるけれど、どこか退廃した世界のようにも感じられます。
クリスマスの文化が独特の進化を遂げて、似たようなものは残っていますが意味が変わっちゃっています。
短いお話の中に、恩田さんの魅力がぎゅっと詰まっていました。
五話目の白川さんのお話。
母と息子と、普段は素っ気なく接しているけど、実はちゃんと互いを想い合っていて、
大人をも言い負かすほどの小学生息子ちゃんが健気。
そこにちょっと情けない立場にある主人公が互いの橋渡し的な役割(サンタさんだねー)をするのです。
最後は幸せな気持ちになれます。
きっとこの親子と主人公とで良い関係になれそうだな~という予感がします。
最終話が三浦しをんさん。
江戸時代の天草からタイムスリップで現代のクリスマス直前の東京へ来てしまう武士と農民。
元の時代に戻るべく、現代の協力者とともにタイムスリップする前の設定を再現してみるのですが…
一見笑える設定ですが、一番最後にズンと考えさせられるテーマでした。
切支丹の摘発や残酷な拷問を目の当たりにして悩んでいる武士と、
その幼馴染のような関係にあり自身が切支丹であることを隠している農民とが、
現代のクリスマス(本来はキリストの誕生日)の、誰もが信仰に関係なく、浮かれ、楽しんでいる様子を見て、
次第に気持ちの変化が生まれていく…
それぞれが短いお話だと、読みやすいですね。
温かい飲み物とチョコをつまみに…
まあ、できればクリスマスの時期に読むことをお勧めいたしますが(^^;
ほぼ一年後に、また読み返してみてもいいかもしれません。。
それにしても、風邪ひいて激しく動けないと、読書もはかどりますわー(:_;)←強がり
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