吉田修一さんの小説が原作だけど、この「怒り」については未読。
どうも、続けて読んでしまうと内面をえぐられているかのようでしんどい。
というわけで、最近は本もあまり読まないように避けてきていたんだけど、
映画は予告を観たり、キャストに惹かれるところもあって、覚悟を決めて観てきた。
結果、映画でもえぐられる~~~~~(>_<)
映像化されてストレートにその感情が迫ってくるだけでなく、坂本龍一の音楽がさらに追い打ちをかけてくる。
そして、実力のある俳優陣の皆さんの演技。演技とは思えないほどに役になりきっている。
宮崎あおいちゃんは体重を増やしたというけど、それもまたこの映画の世界にはぴったり。
謙さんがすごいのは言うまでもなく。
ああいうよれよれな洋服を着た枯れたおじさん風の謙さんが好きなの…。
個人的には、妻夫木君と綾野君のゲイカップルのストーリーが良かった。
ガチなんですよ、本当に。。。
もしかしたら殺人犯かもしれない、浮気をしているかもしれないという疑念が、
まさかの哀しい結末を生むことになってしまうのだが、その時の妻夫木君の演技もまた良くて。
あんな風にリアルな感情を表現できるような俳優さんなんですねー。
何目線だよ、って話ですけど。
広瀬すずちゃんと友達の男の子のストーリーも、
若いのによくぞここまで表現したなという感じで、女優さんとして一皮むけたんだなと。
そこに絡む怪しい男役の森山未來、正直ずっと目が離せないんですが、怖い、とにかく怖い。
良い人なのか悪い人なのかわからない謎めいた部分が多く、信用できる人間なのかどうか、
その判断がとても難しい役どころを、見事に演じていたと思う。
全体的には重く暗い展開だし、私も食欲がなくなるほどだったけれど、
ちょっと時間を置いて思い出してみると、「怒り」の意味もわかってくるような気がする。
どこに怒りの矛先を向けたらいいのかわからない、問題がとにかく複雑に絡み合っている現代にこそ、
この映画作品に描かれている様々な怒りの形が私たちの胸に響くものなのかなと思う。
結局は自分自身に対する感情なのかもしれないけれども…。
うまく言葉にできないことが多くて、自分のボキャ貧を恨むけど、
深く考察せずにはいられない作品も久しぶりなので(こら)、原作も読んでみようかな。
これを機に、またえぐられまくろうか(笑)
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