『ありがち日記』

「ヘルプ/THE HELP」

ここ最近では、久々に心が揺さぶられる作品だったと思います。
人種差別を扱っているようだ、アカデミー賞でも話題だったなぁという程度で、
ヘルプだから誰かを助ける(もしくは助けての)お話かな?
と、何の予備知識もなく、ばふーっとした状態で観ました。

※不快な表現がありましたら、お許しください。ネタばれもあります。

まず、ヘルプの意味。
白人の裕福家庭で、メイドとして働く黒人女性たちのことをヘルプと呼んでいました。
舞台となった、1960年代のアメリカ南部の地域では、
家事全般、子育ても、基本的にはメイドの仕事だったようです。
(きっと他の地域でも、同じような、もしくはもっと過酷な労働もあったかもしれませんが)

それが当然のこととして、おそらく、白人でも悪いことと思ってなかったかもしれません。
ただ、同じ人間であるのに、差別されることへの不満は、どこへもぶつけられずに、
黒人社会の中では沸々とくすぶっていたのだと思います。

若い白人のジャーナリスト志望の女性が、
黒人女性のメイドたちに話を聞き、それを本にまとめ、出版するまでのお話。
非常に重たいテーマを扱っているのに、どこかユーモアもあり、明るいのが新鮮。
メイドが元雇い主へ仕返しをするシーンでは、「ざまぁ~みろ」で笑えてきました。
それと、心温まるお話としては、育ての親(メイド)と子どもとの心の交流でしょうか。
生みの親である若い白人女性たちは、パーティやら見栄の張り合いで忙しそう。
寂しそうな子どもたちを、温かい親の心で育てていました。
そのシーンが出てくると、切なくて涙が出てきます。

そのため、最後のシーンは、やり切れない、悔しさみたいなものも残りましたが。
でも何かを吹っ切り、前に進もうとしている姿も同時に描かれています。
決して暗いばかりのストーリーではないので、逆に響いてくるのかもしれません。

すごい有名な女優さんばかりじゃないと思うのだけど(すみません)、
黒人女性たちの、感情を押し殺した演技は、本当に素晴らしいと思います。
よく考えたら、女性のお話でしたよね、うんうん。←今ふと気付いた

もしかしたら、ここまでの差別ではなくても、
どこか気持ちの中では、まだ何かが残っているような気がしなくもない今の世の中。
人種に限らず、どうしてこういう感情が生まれてしまうんだろうと、考えずにはいられない。
自分にも当てはまることだから、大きなことは言えないけれど、
もう少し人との関わり方を考えてみたいと思える作品でした。

観ていない方がいたら、ぜひともおススメしたい映画です。
自分のために、原作も読んでみたいなぁと思っています。 


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