『ありがち日記』

「LAMB/ラム」

アイスランドの山奥で羊飼いをしている夫婦と、夫婦が飼う羊から生まれた“何か”を巡るお話。まるで遠野物語の世界…。


ストーリー
アイスランドの山間で羊飼いをしている夫婦・イングヴァルとマリア(ノオミ・ラパス)。ある日、出産した羊から羊ではない何かが生まれ、二人はその存在を“アダ”と名付けて育てることにする。子供を亡くしていた二人にとって、アダとの生活はこの上ない幸せに満ちていたが、やがて夫婦は破滅への道をたどることになる。

予告で予想がついちゃうんだけど、羊から生まれたのは頭が羊で体がほぼ人間という異形の生き物。自分たちの子を亡くした夫婦にとって、喪失感を埋める存在であったのだろうか…当たり前のように亡くなった娘と同じ名前「アダ」と名付けて、育て始める。

普通はバレちゃうところ、かなり人里離れた場所で夫婦しか暮らしていないような何もない(雄大な自然ではあるけど、殺風景)場所なので、誰にもバレずに育てられたんだろうなぁ。夫の弟が来るまでは。

そもそも、なぜアダが生まれたか疑問だったのだけど、それは謎の第三者の存在が明らかになった時に冒頭のシーンと結びついて謎が解けた。こわっ…何なんだ、あれは。きっと寓話とか神話といったものがモチーフになっているのだろうから、ここでは深くは考えずにおこう…

この夫婦はやはりタブーを犯しているんだろうと思う。母羊から子を奪い育てるということ、さらにはその母羊を殺してしまうこと。アダの将来を考えていたのだろうか…?目の前の幸せしか見えていないかのような夫婦。時折、アダは自分の姿を水面や鏡に映していたけれど、おそらく彼女は自分の姿が人間とは違うということに気付いていたし、むしろ人間夫婦が飼っている羊たちと同じ顔をしていることに、何かしら感じていたんじゃないかと。話せないから何を考えているかはわからないんだけど、気になる描写がところどころあった。

タブーを犯した者にはいずれ罰が与えられる。
結末の落としどころをそういう風に考えたんだけど、どうなんだろう。
いろんな解釈がありそう。そして全然つまらん!っていう人もいそう。私は好きな映画の一つになってしまったけど。

ノオミ・ラパスはお久しぶり。存在感はさすがね。
アダは異形の存在なんだけど、妙に可愛げを感じてしまう…

面白いよ!とお勧めしにくい。ホラーではないけど好みが分かれそう。
他の方の感想が気になるので、ちょっと探してみよっかな。


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