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私は未だに、レコード盤を愛聴している。
CDよりも音がソフトで温かみがあるし、ターンテーブルが回っている様子は何より視覚的に優雅である。
CDプレイヤーを購入したのは1984年だったから、かれこれ20年以上もCDを聴いてきているのだが、デジタル音ではどうしても豊かな気持ちになれない・・・。
レコードの魅力っていうのは、デジタル技術じゃあ決して代替出来ない独特のものなんだと思う。
だから、Beatlesを筆頭に、今尚レコードしか持っていないアーティストも多い。スティーリー・ダンやデヴィッド・ボウイなんかもそう。
そして、いまだにレコードプレイヤーやその針が市販され続けているということは、私のようなアナログ・ファンがまだまだたくさんいる証拠だろう。
クリアな音よりも利便性よりも、手入れも面倒で音もくっきりしていないレコードを圧倒的に「良い」と感ずるのだから、人間の感覚というのは非常に複雑だと思う。
機械のスペックには決して現れないところにこそ、感覚に訴えかける「何か」が隠されているのだろう。