星々をさらう洪水
夜空を掻き毟ったら
物語りは始まる
そこには黒く澱んで
静まり返る水面
沈められた箱の中は
軋んで波が押し寄せる
もがく手は感覚の無い
空を切って
在ることも
掴むことも赦さない
そんな闇に惑う
影を求めるわけでも無く
投げ捨てられた身体は
冷たい鉄に
頬寄せて泣くの
ふと温かい感じがして
救いの瞳を向けても
それは千切れた左腕
紅さえ魅得ない
音さえ聞こ得ない
断絶された闇に
息が詰まる
自分の鼓動すら
もう分からないの
不意に届いた
汽笛の響きの意味すら
忘れてしまったの
唯一の存在にすら
見離されて
瞳の在処すら
曖昧になって
" 。"
聞こえないことは
分かっているけど
もう一度呟く
か細いその声を次こそ
訊き逃したりしないやうに
もし次が在るならば
闇に見つかる前に
総て押し殺して
押し殺して
押し殺して
-参考文献-
『夜のくもざる』/村上春樹
夜中の汽笛について、
あるいは物語の効用について
↑授業で読んだら泣きそうになりました(苦笑)
夜空を掻き毟ったら
物語りは始まる
そこには黒く澱んで
静まり返る水面
沈められた箱の中は
軋んで波が押し寄せる
もがく手は感覚の無い
空を切って
在ることも
掴むことも赦さない
そんな闇に惑う
影を求めるわけでも無く
投げ捨てられた身体は
冷たい鉄に
頬寄せて泣くの
ふと温かい感じがして
救いの瞳を向けても
それは千切れた左腕
紅さえ魅得ない
音さえ聞こ得ない
断絶された闇に
息が詰まる
自分の鼓動すら
もう分からないの
不意に届いた
汽笛の響きの意味すら
忘れてしまったの
唯一の存在にすら
見離されて
瞳の在処すら
曖昧になって
" 。"
聞こえないことは
分かっているけど
もう一度呟く
か細いその声を次こそ
訊き逃したりしないやうに
もし次が在るならば
闇に見つかる前に
総て押し殺して
押し殺して
押し殺して
-参考文献-
『夜のくもざる』/村上春樹
夜中の汽笛について、
あるいは物語の効用について
↑授業で読んだら泣きそうになりました(苦笑)