どすこいマ~メイド

ハンドメイドの作品掲載や販売のお知らせ、日常のことや息子の成長記録など綴ります。
08/05/12~

銀杏のおもいで。

2012年01月23日 | 考えごと・思いごと
感受性が豊かすぎて少し自分でも面倒くさくなる時があるわたしが、年明けからの日々、さらに気持ちが大幅に揺れに揺れてあっちに行きこっちに行き大変な3週間だった。

お正月が過ぎた今月10日。
好きだった爺ちゃんが亡くなった。
その爺ちゃんは、わたしが作るさつまいもの甘煮を美味しい、美味しいと言って食べてくれる人だった。
たまに味を変えて檸檬の薄切りとはちみつで煮たさつまいものはちみつれもん煮を「こりゃひと味変わってさっぱりしてうめぇなぁ」とたくさん食べてくれた。
銀杏の季節には、近所の保育園にあるおおいちょうに軍手とビニール袋とスコップを持って、一緒に銀杏を取りに行った。
その時すでに足ももうだいぶ弱っていて杖無しでは歩けない状態だったけど、気づけば杖がなくてもほいほいと歩き銀杏を取っている爺ちゃんの姿があったりして。

わたしたちが川辺に釣りに行くと言った時、「よしそれじゃあ、いい釣竿をこしらえておくべ」と昔自分が使っていた釣竿を出してピカピカに磨いてくれた。
お正月には掛かり付けの病院から車椅子を借りて、一緒に近所の神社に初詣に行った。
甘酒が好きなわたしがいつ来ても飲めるように、缶の甘酒を何缶も用意していてくれた爺ちゃん。

書ききれないほど、たくさんのことを一緒にし、たくさんの時間を一緒に過ごした。
わたしは帰りがけ「爺ちゃん、またくるよ」っというと「おう、また来いや」と煙草を吸いながら言ってくれるその姿がとても好きだった。

わたしがあそこのうちに行くようになった、5年と数ヶ月の月日、いつもそうしてくれていた。


去年のクリスマス、爺ちゃんが入院してから覚悟はしていたけれど思っていたよりも早い別れにうろたえた。
同時にうろたえていられないほど忙しく駆け巡るように通夜と葬儀が過ぎて行った。
一足先に嫁として扱って貰ったわたしは、泣くこともできないくらい忙しかったけれど、思えば爺ちゃんが「泣くな」と言ってくれていたのかもしれないなぁ。


そして爺ちゃんの死を境に、わたしたちの結婚の話がどんどん具体化していった。
もはや、最後の爺ちゃんのサプライズだったとしか思えないなこりゃ(笑)

まだまだすべて“決まりつつある段階”という状態だが、
いよいよ結婚を夢みるだけではなくなるのだと思うと、身が引き締まる。
いろいろうろたえてばかりいる状態じゃないのだ。
これからは、「お母さぁ~ん」の一声でお母さんは来ないんだ。
すべての決断権も決定権も、わたしに、わたしたちに委ねられるんだ。

そのことがわたしのなかにじわじわと根付きつつあるこのごろ。
「しっかりしなきゃ」と思う。