やっと通常の大学進学プロセスが戻ってくる!とほっとしたのも束の間、2021年終わりのオミクロン騒ぎ、そしてその後のつぎはぎだらけの政府対応。
最悪に被害を被っているのが、今年9月の入学を目指すカナダの大学進学希望Grade12の生徒たちです。
もちろん、日本人留学生にも、大きな大きな問題です。
この嵐のような時代に「自分の未来を守る」ためには、情報を逃さず臨機応変に素早く対処すること、ですね。
そのための情報ですので、じっくり自分の能力と適正を振り返り、結局ドロップアウトし後悔することのないよう、役に立てれば幸いです。
Patchy approach to final exams, mark freezing amid Omicron sparks worries of grade inflation
(CBCニュースに掲載された記事のタイトル)
冬休みをはさんで対面授業がまたオンラインに変わった州が多く、オンラインにしなかった州でも冬休みの延長、その後の学期最後の試験や授業がおざなりになってしまいました。
Grade12生にとっては大学出願のかきいれ時、自分のこれまでの履修科目・成績をすべて一貫したストーリーとして希望大学に提出する時期です。 その最後のまとめが、何が起こっているかわからないままショボショボっと消えてしまいました。
昨年のこの時期もパンデミック真っ只中。
授業での成績も12月現在で凍結され、その成績を基に出願。 大学が学生を選抜する大きな決め手となる州試験もキャンセルされました。
でも、カナダ中どの出願生も同じ条件。 カナダ中の高校生が、パンデミックで消え去った高校の学習がないまま、州試験も受けないまま、尻切れトンボの学校の成績のみで大学出願、そして進学して行きました。
何も学ぶ機会のないまま、大学レベルに対応出来る学力もないまま、とりあえず高校が独自につけた甘い成績で(かなりの嵩上げがあったと見られています)進学した学生たち。
最初の学期が終わり、試験も終わり、大学の残酷なまでの難しさに参ってしまった学生も多いと考えられえています。
このまま次の学期も、自分の学力の穴を埋める機会もなく苦しみ続け、大学に行くだけの学力もなかった学生たちが、とうとう落伍してしまう率は高くなると予測されています。
今年は、オミクロン出現の後、州による対応はバラバラ。 同じ州内でも学区により対応はバラバラ。
そこに高校生たちの苦悩の声が聞こえます。
州試験はキャンセルした州とそのまま実施している州がある事実
かなりの難易度ですので、受けなくてもよい生徒にはプラスです。
12月でGrade12の成績を凍結した高校とそうでない高校がある
休校やオンラインで継続して授業内容をこなした高校生には大きくマイナス。理解不足が大きい。
自分の生徒がかわいそうだからと、教師たちが授業の成績を甘くつけ嵩上げがまた横行中
嵩上げされた生徒とされなかった生徒間の不公平は図り知れない。
嵩上げされた成績で大学からアクセプトされた学生の、大学入学後のドロップアウト率が高くなる
大学からの奨学金機会にも大きな不公平が
嵩上げされた成績の学生の方がはるかに奨学金獲得の可能性が高いが、結局ドロップアウトしてしまう
本来奨学金に値する能力のある学生が機会を逸する
日本のような中央集権政治ではないカナダでは、州の権限が非常に強く、教育制度も州毎に異なります。
その中で生まれた混乱がもたらした一番のマイナスはこの「高校の成績嵩上げ」だと言われています。
今Grade12の生徒は短期的には「やった!大したことやってないのに良い成績もらった!」と思ってしまいます。
本来は能力がないのに、有名大学出願したくなり、うまくアクセプトされてしまう結果が昨年から続いています。
しかし長期的には、競争も激しく、勉強内容の難易度の高い有名大学に(成績嵩上げのおかげで)入ってしまった学生には大ショックが起こります。 高校までは90%以上を取っていたのに、大学に入ったとたんに平均65%程度に急降下してしまうケースです。
1年目を終える頃には、マイナスの結果に身動き取れなくなってしまいます。
現地カナダの高校生がこうですから、高校留学後カナダの激戦大学に入ってしまった日本人には尚更大きなショックが襲うのではと危惧しています。 異国の日本から来て健気に頑張っている留学生に、かなり嵩上げした成績をつけたい教師は多いと想像しています。
日本からの留学生でカナダの大学まで届こうという生徒はかなりの努力家で、もともと勉強意欲も高く、宿題などもキチンと提出する「良い生徒」が多いことが理由です。
しかし、長い目で見ると大迷惑です。
まともな学力もついていないまま「良い成績」をつけてもらい、難しい大学に知名度につられ出願。
アクセプトされてしまいます。
そして、そこから大苦労が始まるわけです。 学力がないまま、大学の異常な難しさの渦に飲まれてしまうと心配しています。
特に大規模な有名大学の1年、2年時授業のマンモスぶりは悪名高いです。
大きなホールに数百名詰め込むのも普通、その大量の学生たちは大学独自の厳しい方法で評価されます。
人間味のない、冷たい評価なのかもと思います。
・・・・・・・・・・・
このような混乱時に地元カナダの賢明な生徒が取るルートを知っていますか?
カナダには21世紀になってからCollegeからUniversityに昇格した大学がたくさんあります。
広すぎるカナダで、家から近い大学に通いやすくする目的が大きかったと記憶しています。
そのようなUniversityにまず入学します。
いきなり遠い土地の大学に行く心労もなく、学費も抑えめ、クラスサイズも小さく教授が身近で面倒を見てくれる、高校教育不在の穴を埋めるコースも時間もある、という利点があります。
自分の本来の能力ペースを取り戻す良い機会となります。
手厚いケアの中、最初の30単位〜60単位取得後、最終学位を取りたい難関大学に編入していきます。
効率の良いルートですね、特に、パンデミックの大混乱中は。
カナダ高校留学していた日本人高校生にも同じルートを勧めるのですが、何の影響でしょうか?BC州で言えば、University of British Columbia, Simon Fraser University, University of Victoriaなどの世界的知名度の大学しか頭にないようです。
オンタリオに行けばUniversity of Toronto希望の日本人だらけです。
1年目で成功する確率は高くない、にも関わらずです。
ドロップアウトせず頑張ってくれることを祈っていますが、簡単ではないですよ。
卒業までの学費を考えても、最初から有名大学に行くと、目が飛び出る費用がかかりますが、この組み合わせならかなり押さえることが出来ます。
奨学金も獲得の可能性がぐっと上がりますから。
そして、日本からカナダ大学を目指す高校生にも同じアドバイスを送ります。
クリティカルシンキングも、エッセイの論理的スキルも、Reasoningも、カナダの社会・経済・歴史も習得出来ていない場合は、有名難関大学は2年目、3年目に目指すとして、まずはじっくり面倒をみてくれる、数百名のクラスなど存在しない小さな大学がお勧めです。
特に、この大混乱の大学進学状況のカナダでは、渦の底まで巻き込まれてしまう危険と隣合わせだと感じます。 費用面でも大幅に異なります。
自分に一番合ったルートで高いレベルの教育を目指すこと。
まさに「自分の学力は自分で守る」です。
これがパンデミック時のカナダ大学進学のコツですね。
カナダにいらっしゃい!
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