ムーミンパパの気まぐれ日記

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小さなことから

2008-02-26 | column
 画像と題名の関係が訳わかんないなと思った方もいるかもしれないが、これはある朝、立ち食い蕎麦を食べていた時のお話なのである。
 そのお店は立ち食いとは言っても、カウンターには椅子がある場所もあり、私もそちらの席で食べ始めていた。何となく顔をあげると、2つ隣の男の子が蕎麦と一緒におにぎりを食べていたのである。いなりずしやおにぎりをサイドメニューとして販売している店は珍しくもないし、若い人が蕎麦だけでは物足りないというのもよくわかる。が、彼の食べいてるのは海苔も巻いていないおにぎりで、半分ラップをはがして手にもっているのである。どうみても売り物ではない。きっと家から持って来たものであろう。無心に蕎麦とおにぎりを頬張る彼の横顔を見ながら、やれやれと溜息をついたのは言うまでもない。
 立ち食い蕎麦屋の奥まったカウンター席だから、店員が見回りにくるわけでもない。気が付いた他の客だってわざわざ注意はしないだろう。無断持ち込みだって言ったって、それが重大な刑法犯罪というわけではないし、目くじら立てるほどのことでもないのかもしれない。ただ、そうした小さな違反行為の見逃しが大きな事件の原因になっているのではないかと思わざるを得ない。いわゆる破れ窓理論(Broken Windows Theory)ということになるのかもしれないが、なにもそんなアメリカの犯罪学なんか持ち出さなくても、日本には昔からいい言葉がある。「一事が万事」である。
 紳士とは要するに風呂場でおしっこをしない人のことを言うのだという説を聞いたことがある。例えは汚いけれど、誰も見ていないところでも自分を律しているというのが紳士ということなのであろう。イギリス貴族は自分の家の暖炉の前でひとりでいる時にも足を組んでいいのかどうか悩むというジョークもあった。こっちの方がソフィスティケートされた言い方だが、言いたいことは結局同じことであろう。
 少しづつ世の中のどこかがずれてきた。その結果が、どうにもやるせない重大な事件を招くようになったという気がしてならないのである。モンスターペアレントもクレイマーもキレる大人も、みんなそんなことが遠因になっているのではないだろうか。
 どうにもおいしくない蕎麦になってしまった。

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4 コメント

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『プライド』のはき違え (erima)
2008-02-26 23:49:41
節度というのは、自分の誇りのためにあるものなのだと思うのですが、最近ではその『誇り』そのものを勘違いしている人が多いので、こういう世の中になってしまうのでしょうね。

で、何か指摘されれば「誰にも迷惑かけてないからいーじゃね~か」と。
こういう方々って、どういう自分でありたいんでしょうねぇ?

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>erimaさん (ムーミンパパ)
2008-02-27 08:22:00
そうですねえ。

誰にも迷惑かけてないってのは、法に触れなきゃなにやってもいいっていうことと同義ですから、そんなこと主張されても困りますよね。

なりたい自分はないのに、裏打ちもない優越感だけはある人が多すぎるような気がします。
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モラル?! (谷やん)
2008-02-28 00:10:23
常識とかモラルとか言うものが、欠如してきているんでしょうね?!
生まれても居ない頃の話をするのは恐縮ですが、戦前の日本はそうじゃなかった。
例えばしつけの話でも、親の目が届かなければ近所のおじさんに叱られたり、義理人情などもあったと聞いています。
谷やんは、戦後の生活スタイルの西欧化が原因ではないかと思うのです。
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>谷やん (ムーミンパパ)
2008-02-28 08:44:00
行き過ぎた個人主義、ミーイズムが原因なんだと思っています。
集団主義が宗教の代りを果たしていた日本社会にとっては致命傷になったような気がしてます。
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