兼題「桜 花」
白鳳の塔の相輪夕桜
夕暮れて古刹静もる花の雨
花冷えやランプの店に誘わるる
西行の句碑を掠める糸桜
猿沢池の芽柳の影揺れゐたり
鹿せんべいもっともっとと春うらら
兼題「水温む」
朝明けの飛鳥の川の水温む
塔映し猿沢池の水温む
日暮れ待つ人の蠢くお水取り
水温む人数多なる釣り堀に
近江富士の近く見ゆる日鷽の声
兼題「寒」
寒牡丹染井の井戸の蓋重し
向き合って素知らぬ顔の寒鴉
ボンネットに光る猫の目寒の夜
凍てかえる水面に塔の影落とし
静寂の壬生寺の舞節分会
篁に風ふきすさぶ梅一輪
兼題「初の付く句」
朝明けに星の残りし初御空
初水の柄杓のくぼみ泉涌寺
くくくくと初鳩の声こぼれおり
初泳ぎ水の重たきあと二百
志野椀の葛湯両の手一人の夜
大絵馬に跳ねる兎や朝の雪
兼題「歳の暮」
歳暮るる茅葺宿に夕陽射す
薬草の発祥の地や歳の暮
何一つ変わらぬ日々や歳くるる
散紅葉色つらなりて室生川
良き日和塔にかかりし冬紅葉
2022年最後の句会メンバー全員変わりなく
楽しい句会になりました 仕事もゴルフも健康
のためにスポーツクラブの水泳も頑張ります
2023年もよろしくお願いいたします。
兼題「風呂吹き」
風呂吹きやかまどの湯気の二筋に
風呂吹きや賑わう宵の先斗町
釈迦堂の湯気立ちのぼる大根煮
街路樹の色豊かなる今朝の冬
佇むや木の実の音のおちこちに
大和路や戸毎に柿のたわわなる
季題「秋の虫」
ちちろ鳴くかすかに湿る宿の下駄
虫の音や寂光院への畔の道
蟋蟀か和室の隅に何処より
虫時雨中途半端に閉じる窓
箕面川の秋澄む音となりにけり
秋桜や明日香の村をツ-リング
兼題「日焼け 潮焼け」
風受けて日焼けの車夫と奥嵯峨野
合宿の日焼けの笑顔歯の白し
高速道路右腕赤く日焼けせり
青空や糖度の高き西瓜買ふ
模様替え日焼けの畳一畳半
兼題「夜の秋」
竹薮の葉擦れかすかに夜の秋
夜の秋睡魔の襲ふ二ページ目
小窓より羽音密かに夜の秋
篁に透ける明かりや夜の秋
朝顔の蔓うだつへと届きをり
兼題「栗の花」
栗の花匂ふ夜道の下駄の音
栗の花鞍馬の駅舎覆ひけり
栗の花閻魔黄泉への井戸暗し
栗の花六道の道さまよへり
炎天下ゴルフボールは池の底
夕暮れの帰路を急ぎしはたた神
久しぶりの京都の中心六波羅蜜寺
空也証人 平清盛そして六道の道 珍皇寺
その他ゆっくりと散策してランチして
京都は最高ですね
季題「春の花一切」
花曇りランプの店に二人かな
夕風にもつれてゐたり柳の芽
崖超えの九番ホール花馬酔木
武家屋敷芽柳の影揺れてをり
菜の花や酒蔵並ぶ旧街道
季題「夏一切」
風薫る水面に影の浮御堂
庭先に散るをこらへる白牡丹
白鳳の塔の水煙風光る
尼寺やまばゆき白の花水木
梔子の香りの続く夜道かな
兼題「巣箱 鳥の巣」
窓開くる部屋の正面燕の巣
燕の巣土間に出入りの穴ありて
ゴルフ場のヤードを示す巣箱かな
ボンネットに足跡残る猫の恋
梅林の短冊風にうらおもて
去年の巣をリノベーションの燕かな
兼題「淡雪 はだれ雪」
淡雪を駆け抜けて来る児の頭
牡丹雪地につくまでを遊びつつ
赤レンガの続く港やぼたん雪
はだれ雪忘れし事の多かりき
淡雪やカナダよりロッキーの便り