兼題「種袋」
種芋の転がっている通し土間
小物屋に三段並ぶ種袋
種袋の音確かむる昼下がり
色あせし袋の中に種眠る
風光る糺の森を抜けて来し
兼題「種袋」
種芋の転がっている通し土間
小物屋に三段並ぶ種袋
種袋の音確かむる昼下がり
色あせし袋の中に種眠る
風光る糺の森を抜けて来し
兼題「女正月」
女正月棕櫚の箒買いにけり
女正月笑いの多き長電話
女正月静寂の午後の喫茶店
国生みの神おわす島初詣
マスクして隙間を抜けて初詣
新雪の山越え祖谷のかずら橋
女正月風の囁き露天の湯
今年は去年と相変わり世界中のコロナが
収まり良き年である事を願います。
兼題「重ね着」
重ね着し真夜の呼び出し駆けつける
重ね着しあら湯の玉子引き上げる
思考力鈍る重ね着日の暮るる
搔堀の盥に跳ねる在来魚
河豚刺身の大輪散らし箸すすむ
敷きつめし銀杏落ち葉や日の反射
「兼題」 大根
竿弛む大根掛けに夕陽射す
大根煮る玻璃に湯気の模様かな
大鍋の輪切り大根箸の穴
梱包の隙間に詰める柿三つ
登り窯の煙たなびく小春の日
小春日や鍵盤はねる五指映る
題「字結び 伐株」
伐株に腰おろしたり秋の暮
屋久島の伐株夢に星月夜
伐株の椅子取りゲーム秋の空
宿選びGOTOトラベル秋高し
秋日和札所巡りの秘宝展
ポケットの木の実取り出し旅終へし
兼題「根釣り」
岩陰に根釣りの一人見えかくれ
夕波に糸引き寄せる根釣りかな
一人づつ陣取る岩の根釣りかな
朝露やつま先ぬれし宿の下駄
崖越えのシヨットの決まる秋茜
蟋蟀の厨に立てばつと止まる
季題 「初秋」
初秋や雨の前線とぎれなし
初秋や千早の村を雲流る
大神の黒き鳥居や秋の空
裏庭に蝉の出口のおちこちに
梅花藻や旧家の鯉の赤よぎる
秋風や自転車の子等一列に
季題「昆虫一切」
バッタ大群アフリカの村喰いつぶす
かなぶんや夕暮れ時の停留所
翅開き閉じて開きて天道虫
宙に舞う尺取虫や枝の先
石仏の頭に休む糸蜻蛉
緑陰を大塔めざして列みだる
兼題 「みどりの日」
雲流る大和三山みどり日
山の辺を歩きたくなるみどりの日
みどりの日こよなき鳥の声振り来
山藤の色たおやかに崖っぷち
東塔の 落慶法要風薫る
スティホームや亡父の躑躅満開に
ウイルスが地球揺るがす蜃気楼 大変な事に 我慢して乗り越えられる事を願うばかりです。
兼題「桜蕊降る」
桜蕊降る廃校の滑り台
石仏の頭に降りし桜蕊
御室御所踏石に降る桜蕊
青丹よし佐保川曲る花筏
芽柳の影揺れゐたり蔵屋敷
今回は久しぶりの吟行万博の日本庭園へ
五百回の記念の句会で後で千里中央にて
中華料理をご馳走になりました
フカヒレスープからいろいろみな美味しく
和気あいあいの一日でした
春立や句会は万博五百回
春時雨句会の宴時忘れ
太陽の塔高々と雀の子
ものの芽に話掛けつつ二歩三歩
春雨や鴨の泳跡心字池
本棚に掛かるはしごや菜の花忌
コピット19地球揺るがす春疾風
兼題「二月 如月」
如月や水面に塔の影落とす
如月やざわめく藪の真夜の風
下萌えや信楽焼きの窯覗く
下萌えや靴紐緩む熊野道
ひび割れし白鳳の鐘春夕焼け
お山焼き塔の相輪浮きたてり
季題「笹鳴き」
笹鳴や黒猫の耳つと動く
笹鳴きのとぎれとぎれや四阿に
篁の日差しやわらぎ笹子鳴く
滝道の茶店閉ざされ笹子鳴く
日本晴れの初富士ラインの友へかな
七草粥のほど良き味をお代わりす
令和の初句会 今年も良い句がたくさん出来ますように
初詣 初富士 先生と皆さんの笑顔楽しい句会でした
まわりのあらゆる皆様自然の恵みに感謝してまいります