「ねぇ、お母さん、お母さん」
お母さん、何度も呼んだのに返事もしてくれない。
お母さんはどこへいっちまったの!
今の小鳥のさえずりを聞いた。
ほら、耳を澄ませて聞いてごらんよ。
ねぇ、いいでしょう。
私たちに何かを伝えたいのよ。
家の周りにウグイスが澄みきった、声の鳴き声が響き渡る。
僕の家は、静かで声ひとつも伝ってこない。
新鮮で清らかな声が遠くまでも響き渡り、僕の脳裏に伝わってくる。
数軒となりの家から小鳥がきたものだ。
本当に目の前まで寄ってくるが、少しでも手を差しだすものなら。
ぱっ~とササいだ、小鳥のささやきが。
「ピーヨ、ピーヨ」、言葉でも、人の泣き声とも違う。
一声のささやきが一面が、新鮮な空気が一掃されるみたいに癒されていく。
小鳥はいったい何を言っているんだろう。
誰に何を伝えたいだろう。
あ、あ、あと少しで。喉までやってくるのに。出てこない。
本当にじれったいて、あらしない。
小鳥は音楽をさえずっているように。
ね、心で感じなくちゃね。
ナイチンゲル、あなたは何を言いたいの?
まって、待って!
心で感じるのね。
うん!
あなたは私に小鳥のさえずりで、癒してくれているのね。
いつしか、私のことばかり考えていたのね。
ピョ~ピョ、心の奥まで、新鮮さが伝ってくる。
あなたは可愛い子ね。
好きよ!