俺んちの村に人気者のコキさんがいる。
無愛想で気性がいい40そらの男性だ。
眉毛が下がり、眼が落ちこぼんだ
奥に小さなびょろつとしている。
貧乏だが、6つになる男の子を頭に３人も子供がいる。
いつもはほとんだお丸裸で、家の中ではムシロを敷いて
奥にＴＶと小さっぱりした部屋であう。
フッーと調子で小銭が入ったが？
伯父に渡されたが、コキさんはもじもじしてたが。
［どくでなしには、買ってやってもいいが
一度買ってやると、クセになるからね］
自分がクセになるじゃなく
亭主がつけあがる。
正月に餅を切っている最中に
6つの子の良という男の子の指を
切り落とすところだった。
ダイコンを真っ二つに！
伯父には怒られ。
ニヤけてごまかしている。
こんな調子ものだ。
このコキさんがカフェーから
女性を連れて女房にしたが、
なるほど顔だけは、ちょっと小奇麗だが？
野・畑に出て土をするようなしれものでない。
果然、金がなくなれば、男女が雲かくれて逃げていった。
はなさんは、近所のある農家へ嫁入りして、子供もいる。
ところが、この亭主なる男が
少々頭が足りなくて、不満であるが、一緒になった。
部屋の隅に布団を敷いて、コキさんは横になっていたが。
村中の人が集まって大騒ぎ。
［伯父の本家も、［どうやら脈はありそうだ。］と呟く。
コキさんは眼をつぶっている。
顔色も蒼ざめて、息もせず
事情は知らないが！？
実際、コキさんは死じまったものと
思っただしい？
線香を上げて念仏をと唱える者もあった。
［はな、コキも死んだが、もとの亭主にもどるか］
おはなさんは、首を横にふった。
そう言うをけだから！
村中の人はもう、一度線香を上げて
帰ろうと思った。
フッーと気がつくと？
死んだはずのコキさんが姿を見えない。
みんな総立ちになって探したら。
コキさんは、すぐ先の小川で芋を洗っていた。
今日は楽しい小学生の入学生などで
学校など初めてあった４０－５０人の中で
名前を覚えている奴がいる者がいるんなら。
いたら顔を拝みたい。
この友達はなんだっけ？
この人は印象が深いので判断しろたって？
こっちは憶えていられねぇ。
そうどうこう言うおうと？
俺れのことを憶えてもらえねぇ。
影が薄かったのかと？
友達はなんとなく離れていく。
その中には一人たりとも憶えてないものもいる。
すべて憶えている奴はいるのか？
そりゃ、人間様がよほど好きか。
すげぇー頭がいいに決まっている。
俺れなんか？
誰れが印象深いか、何にもわからない。
一言の言葉もしゃべれるものもいないし。
その中で２．３人がアホを言っていたが。
目立つたのはそれくらいだ。
俺りゃ、そんなに頭が良くないし、
そんな状況じゃ興奮しちまってよ。
俺れがオレでないみたいだ。
ポッ～としている。
アホ面だよな。
よく覚えている奴が可笑しんだ。
どこをどう特徴を読めてんだ？
ポッ～と立っているしか能がないものだ。
いていない様な空気みたいな者ばかり。
石か？
葉っぱみたいな中。
ある程度の知識や学力があれば？
少し話がちがうが？
幼い者に言うものじゃない。
鼻たれ小僧になんて難しいことを言ったって。
意味がぜんぜんわかりゃしない。
せいぜい１から2人名前を憶えて
いりゃ～いいほうだ。
俺れや、ぜったいに
憶えてならなきゃいけないなら。
笑ってごまかすな。
それしか逃げみちがない。
そんな事くらいなら。
お茶の子さいさいら。
現場から少し遠ざかっていれば。
憶えてとくのもムズかしだろう。
人間とは賢い人がいるもんだ。
俺れや、特徴を読んで憶える。
おりゃ、おったまげただ。
俺れは、勉強不足だ。
おれて、本当に深く～く反省している。
貧しく人がどこにも行くあてもない
人間が鶏小屋みていなものを作って住んでいる。
人間の生活の図太さ？
ほんとうに何もない。
俺りゃ、それとてうらやましい。
新しい家を探して西中島から梅田に
自転車を借りて飛ばす。
チャリンコを乗るときは、爽快でいいが。
さあ、弱った、住む家がない。
生活の道具の一つとてない。
いつまでも姉やんの厄介になっているわけもいかない。
下宿すべき家もない。
枕一つ持って
寝ぐせは悪いが。
友達の家をたらい回しにされるのも？
あいた。
姉やんの処にいったら。
すぐに犬が出てきて。
久しぶりなので。
俺れの顔も忘れている。
ワンワンとひつこく吠えてくるんだ。
悔しくてけっ飛ばしたくなる。
飯のために耐える。
犬に一言二言くらいは？
よしよしと、愛想をふりまく。
俺れの顔が立たない。
犬はいいなぁ。
ワンワンと吠えたかと思えば。
泣きついてきた。
コネコネと？
犬はそこでごろ寝だ。
そこをさすれと注文をだす。
俺は、いまは犬以下だ。
いまだに犬には頭があがらねぇ。
一杯の飯なのに？
明日はどこをさまよい歩く。
仕事の紹介を受けたが。
あの場所はタクシーが乗車拒否したとろ。
タスシーは柄悪くても人はいいかも知れない。
今は人の情けに受けるのみ？
昨日からそんなに寝なず夢を見ず夢うらら
バタバタと準備して今は沖縄だが。
用意したつもりだが？
やけに忘れもの多いが夕食をくった。
ビールをチョビリ飲み
目はくらくらと悪酔いしちまいそう！
ホテルの心地よい環境じゃ！
私はチョーと頭の方がグレチまいそう！
もう私の家は裏腹の彼方にある。
水は持ってきて、下痢はないものの
最悪の状況は間がもたぬ。
必死こく別世界。
イヤヨ～、イヤヨと思うその中で
現実の世界の夢の世界に入りきれない
イロハカルタのその中に。
ポッーといて、眼はギロギロとする
俺の存在感は無視されている。
別の世界に明日は楽しい。
夢を見るなら数秒カルタ
一抜き、二抜き、三カルタ
やはり、一消、二消！
三消え、その後は床の中でグッたりと
夢心地で眠っている
今日の夜は夢の世界で。
明日のことを考える、グウグウと夢ここち！