さて、
與三郎こと、楓太・札幌東八が初参戦で若犬牡組みからスタートします。
與三郎の飼主さんはペットとして與三郎君を迎えて下さいましたが
お仕事の関係で本州の方への出張が予定より多くなり、マキドッグスクールのペットホテルのご利用が多くなってきたのを機会に、
ただ、お預かりするのはもったいないことと、何よりもこの與三郎君の成長ぶりに展覧会へお誘いしたところ
気持ちよく応じて下さり、今回入会・出陳、となりました。
與三郎君は性格も良い上に、もともと立派な骨格・体型を持つ理想的な北海道犬です。
お預かりした段階では展覧会用に少しの運動とマナーつけが必要な状態でしたが、ほぼ苦労はありませんでした。
個体審査
宏美所長はまだまだ、向こうの方で衛生検査をしています。畑中支部長や稚内の武方さんも手伝いに来てくれているようです。
出陳準備中では宏美所長がハンドリングする予定でしたが
私の右足の小指が数日前、前ぶれなくソファと思いっきりケンカしてしまい、運動できない状態となってしまったため、
作戦変更で朝、開会式が終わってから選手交代、ジジも引っ張ることに変更となりました。
予定ではリキマルを牧十郎がハンドリングする予定でしたが、與三郎のハンドラーに変更です。
(予定では リキマル→牧十郎/紅→章江/與三郎→牧宏美)
犬舎では與三郎の監督は牧十郎だったため、79歳の体力さえ許せば何の問題のない作戦変更です。
(本番:リキマルと紅→牧宏美/與三郎→牧十郎)←総入れ替え(笑)
與三郎は性格がいいため、少しコミュニケーションをとれば、ハンドリングマナーをわかっているハンドラーさんなら
だれでも引っ張ることができると思います。
しかし、微妙な駆け引きや犬のちょっとした変化に対する対応はやはり経験と技術が物を言います。
與三郎を私が準備しているのをみつけて、テントのなかで大騒ぎしていた牧十郎がでてきました。
「順番か??」
自信満々の與三郎なので我慢できなくなって出てきました。
大ベテランの牧十郎が引っ張れば鬼に金棒です。
與三郎の飼主さんはお昼過ぎか、比較審査ぎりぎりくらいに会場入りする予定と聞いていたんですが
開会式のころには「今百合が原公園の駐車場にいるんです~」と・・・・。
朝一番から愛息子の勇姿を見ようと来られていました。
與三郎は仕事がわかっているようで、
もちろん飼主が来たことには大喜びしましたが、
リンクに入ればキリッと、立派に仕事モードになりました。
ゼッケンを牧十郎へ付け替えます。
強風にて、ゼッケンをつけるのも至難の業です。
その少しの瞬間にも與三郎の準備に入る、牧十郎です。
経験の豊富さはもちろん、全身全霊の五感を使って犬の最高の状態を表現する様は、まさに天下逸品です。
リードから伝わる犬の状態を、自分の手足・指先の微妙な感覚で犬と一心同体となります。
歩かしても崩れない躯体に審査員もホレボレしたはず。
この、ひとつひとつの技術や犬への“ここぞ!”といった部分の犬への気遣いといったところ含め、
この全てを私たち後進は牧十郎が生きているうちに学びとらねばなりません。
審査員の表情を確認して、リップサービスも忘れませんから(笑)
猟獣競技
比較審査までの間、猟獣競技をやってみますか?と声を掛けましたら
「やりたい!!」と即答された、飼主さんのお姉さんの挑戦です。
與三郎は熊が檻に入っている状況を分かっているため、「あんたこんなとこでなにしてんの?」状態で吠えませんが
お姉さん自身は、初めてにもかかわらずなかなかの手綱さばきです。
きちんと熊さんと向き合えるように うまくリードできていますよ。
きっと、熊さんが手を振りかざそうとするなどしたら、多分與三郎は吠えます。
吠えて飼主を守ろうとすると思いますが、
檻に入っていて、何もできないとわかっているんですね。
中にはオシッコをかけたりするワンちゃんもいますが、與三郎さんは熊さんの尊厳もまもり、紳士的に競技を終了いたしました。
一回も下げることのなかった立派な尾っぽを褒めてあげましょう
犬舎でキツネを見つけて吠えている調子で吠えれば、全犬優勝まちがいないですよ。実践済なんですよ(笑)
比較審査
さて、本番です。
與三郎の“見せ場”がやってきました。
ブックの通りの順番でスタートしました。
リンクデビューとは思えない堂々ぶりです。
リンクマナーもさすがです。
飼主さんも朝から来てくれていたのが正解でした。
甲乙つけがたい3頭の犬に審査員ももめているのがわかります。
前足の伸びといい、蹴り込みといい、惚れ惚れします。 身体も全く揺れません。
きれいなフォームですね。
前後の犬にも全く動じません。
素晴らしい歩様だと思います。
この写真を大きくしておけば良かった。
牧十郎は父犬の北勇・平和佐々木もいいが、與三郎はその上だと絶賛している。
ここで3頭の犬に絞られました。
先頭は昨年の秋季本部展で幼犬牡組で1席をとった鬼道優・横浜道犬海桜荘(百七十一太郎×初音)
與三郎の後ろは 同じ犬作り仲間 “チトセコタン会” の杉山征紀氏繁殖の ピンネ・ピンネシリ杉山犬舎(トウピシキテ×阿久姫)
デッドヒートを重ねましたが、鬼道優に決まったようで、歯牙の確認に所有者代理(笑)がやってきました。
鬼道優が表彰者リンクに呼ばれました。
見事な被毛の状態の差でした。
與三郎の被毛の状態は7分。
わざと胸の被毛をとらずに出陳しましたが
あいにくの雨で浮き立ってきてしまいました。
しかし、犬自身は被毛の状態以外は汚点のつけようのない完璧な犬である、との講評でした。
被毛の状態の良いときに
是非、本部展を目指したいものです。
一歩足らずの結果でしたが、
飼主さんは息子の勇姿に感激してくれた、とのことでした。
カメラの準備をしています。
與三郎も
「おとうさん!ボクがんばったでしょ!!」とでも言っているようです。
若犬牡組 特良2席(2位)
楓太・札幌東八 CN與三郎
平成24年2月20日生まれ
父:北勇・平和佐々木
母:純:札幌東八
繁殖者 牧十郎 所有者 池端龍男
與三郎君一家です。
寒い中、最後までご参加お疲れさまでした。
これから換毛期がさらに増すので
本部展は秋を目指しましょう。