魔術探偵を営んでいる魔法使いケイトは、
自宅にある魔術探偵の事務室でイヴと世間話をしていた。
王国内で語られている『手出し厳禁の危険人物5人』を教えてほしい
王国内で語られている『手出し厳禁の危険人物5人』を教えてほしい
と言うから、5人全て語ったところだった。
それを聞いて蒼白としたイヴであったが、
それを聞いて蒼白としたイヴであったが、
コーヒーを一口飲んで心を落ち着かせる。
そしてイヴがケイトに
「ケイトは何か聞きたい事ってある?」
と投げかけてきた。
その時ふとケイトの脳裏に、未解決の案件が浮かび上がる。
ケイトの最も嫌いな依頼である『人探し』だ。
嫌いな理由は、見つかった時、対象者が無事であった事例は
そしてイヴがケイトに
「ケイトは何か聞きたい事ってある?」
と投げかけてきた。
その時ふとケイトの脳裏に、未解決の案件が浮かび上がる。
ケイトの最も嫌いな依頼である『人探し』だ。
嫌いな理由は、見つかった時、対象者が無事であった事例は
一割も満たないから。
大概は死んでいるか、精神を病んだ、または肉体がボロボロに
大概は死んでいるか、精神を病んだ、または肉体がボロボロに
なった状態で見つかる。
行方不明になった日から、だいぶ日数が過ぎてから依頼されるのが
行方不明になった日から、だいぶ日数が過ぎてから依頼されるのが
大半だからだ。
未解決の案件は、その中でも特化していた。
行方不明になったのは十数年前などと言われると、
未解決の案件は、その中でも特化していた。
行方不明になったのは十数年前などと言われると、
さすがに『は?』となる。
無茶ぶりにも程があるでしょ。
ただ依頼者も
「無理なのは分かっている。
だから期限は設けない。
手の空いている時、気が向いた時に探してもらえればそれでいい。」
と言ってきていたので、特に前金も請求しなかったぬるい一件だ。
ダメもとでイヴに聞いてみるか。
「たぶん今は30代だと思うんだけど、
無茶ぶりにも程があるでしょ。
ただ依頼者も
「無理なのは分かっている。
だから期限は設けない。
手の空いている時、気が向いた時に探してもらえればそれでいい。」
と言ってきていたので、特に前金も請求しなかったぬるい一件だ。
ダメもとでイヴに聞いてみるか。
「たぶん今は30代だと思うんだけど、
リディアって名前の女性に心当たりない?」
するとイヴが、
「・・・どこでその名前を?」
と聞き返してきた。
カップを置こうとしていた手が、カタカタと震えている。
え、どゆこと?
危険人物の名前教えた時より怯えてるっぽいんだけど?
聞いたのはあたしだし、とりあえず正直に言うか。
「だいぶ前の話なんだけどね。
リディアのお兄さんって人が探してくれって依頼に来たのよ。
行方不明から十数年経っているって理由だから、前金無し、
するとイヴが、
「・・・どこでその名前を?」
と聞き返してきた。
カップを置こうとしていた手が、カタカタと震えている。
え、どゆこと?
危険人物の名前教えた時より怯えてるっぽいんだけど?
聞いたのはあたしだし、とりあえず正直に言うか。
「だいぶ前の話なんだけどね。
リディアのお兄さんって人が探してくれって依頼に来たのよ。
行方不明から十数年経っているって理由だから、前金無し、
手の空いた時に探す、期限は無期限って感じのぬるい依頼だけどね。」
イヴは、カップに残っていたコーヒーをグイっと一気に飲み干すや、
フゥー!
とデカい息をついてケイトを見据える。
「私ね、ニードルで働く事になったって言ったでしょ。
今着ている服を渡された時に、ターゲットリストも渡されていたのよ。」
「それって要は極悪人リストよね?・・・ってまさか!?」
イヴが静かに頷く。
「推定年齢30代半ば。
スラム街にたむろしている子供たちを誘拐し、奴隷商に売りつける
イヴは、カップに残っていたコーヒーをグイっと一気に飲み干すや、
フゥー!
とデカい息をついてケイトを見据える。
「私ね、ニードルで働く事になったって言ったでしょ。
今着ている服を渡された時に、ターゲットリストも渡されていたのよ。」
「それって要は極悪人リストよね?・・・ってまさか!?」
イヴが静かに頷く。
「推定年齢30代半ば。
スラム街にたむろしている子供たちを誘拐し、奴隷商に売りつける
魔女の名が、確かリディアって名前だったわ。」
今度はケイトが蒼白になる番だった。
奴隷は、王国では死刑クラスの重大犯罪に扱われている。
王国承認暗殺ギルド“ニードル”のリストに載っている者を探し出せなど、
今度はケイトが蒼白になる番だった。
奴隷は、王国では死刑クラスの重大犯罪に扱われている。
王国承認暗殺ギルド“ニードル”のリストに載っている者を探し出せなど、
悪夢としか思えない。
イヴはケイトに同情しながらも、
『私も探さなきゃいけないのよね。』
と内心ため息出まくりであった。
「あたしも仲間と探してみるから、何か分かったら連絡するわ。」
「あ、ありがと。
・・・仲間って?」
「仕事の時は、必ず2人1組で動くようにって言われたのよ。
まさかニードル序列1位の実力者と組まされるとは
イヴはケイトに同情しながらも、
『私も探さなきゃいけないのよね。』
と内心ため息出まくりであった。
「あたしも仲間と探してみるから、何か分かったら連絡するわ。」
「あ、ありがと。
・・・仲間って?」
「仕事の時は、必ず2人1組で動くようにって言われたのよ。
まさかニードル序列1位の実力者と組まされるとは
思ってもみなかったけど。」
「序列1位って、まさかエルと?」
イヴが目を丸くする。
「・・・有名人なの?
あたし、まだ会っていないんだけど。」
「家の事情で知ってるの。
姿を見たら驚くと思うわ。
同じ人物を探す事になるなら、エルに宜しく言っておいて。
こっちでも何か掴んだら教えるようにするから。」
「分かった、伝えておくわ。」
ぬるい感じの依頼がとんでもない依頼になってしまったと、
「序列1位って、まさかエルと?」
イヴが目を丸くする。
「・・・有名人なの?
あたし、まだ会っていないんだけど。」
「家の事情で知ってるの。
姿を見たら驚くと思うわ。
同じ人物を探す事になるなら、エルに宜しく言っておいて。
こっちでも何か掴んだら教えるようにするから。」
「分かった、伝えておくわ。」
ぬるい感じの依頼がとんでもない依頼になってしまったと、
天を仰ぎたくなるケイトであった。