■ ブルー3兄弟について(2022.6 追記:ブルー御三家と呼ぶ方もいるようですので追記しておきます)
相変わらずステイホームなので、今日はブルー3兄弟についてまとめてみました。ブルー3兄弟は、青いシジミのうち、ヒメシジミ、ミヤマシジミ、アサマシジミの3種を指します(あくまで通称です)。※写真はすべて、左からヒメ、ミヤマ、アサマの順です。
雄の表翅の色の違いがよくわかりますね。
<初見>
ヒメシジミ :1979.8.3蔵王山
ミヤマシジミ:2011.8.19 富士山麓
アサマシジミ:2017.7.17 霧ヶ峰
<分布/目撃実績県>
ヒメシジミ:北海道、本州、九州 /宮城県、北海道、群馬県、山梨県、福島県、長野県、栃木県
ミヤマシジミ:本州 /山梨県、栃木県
アサマシジミ:北海道、本州 /長野県
<発生>
ヒメシジミ:年1回 6月上~中旬
ミヤマシジミ:年2ー3回 5月下旬、7月中旬、8月下旬
アサマシジミ:年1回 6月中~下旬
<食草>
ヒメシジミ:キセルアザミ、オオヨモギ(キク科)、オオイタドリ(タデ科)、クサフジ(マメ科)他、ヤナギ科、バラ科、カバノキ科など
ミヤマシジミ:コマツナギ、イワオウギ(マメ科)
アサマシジミ:ナンテンハギ、エビラフジ、クサフジ、タイツリオウギ、(マメ科)など
<レッドリスト上のランク>
ヒメシジミ(本州・九州亜種):準絶滅危惧
ミヤマシジミ:絶滅危惧IB類
アサマシジミ(中部地方中山帯亜種):絶滅危惧IB類
アサマシジミ(北アルプス亜種):絶滅危惧II類
アサマシジミ(北海道亜種):絶滅危惧IB類
※レッドリストのランクは、絶滅に近い順に、IB > II > 準 である。
<見分けポイント> ※写真は左からヒメ、ミヤマ、アサマの順です。
大きさ:ヒメ ≦ ミヤマ < アサマ
雄の表翅の青の面積:ミヤマ > ヒメ > アサマ
ミヤマシジミ:後翅亜外縁黒斑列内の青色鱗が特徴(ヒメ, アサマにもあることあり)
アサマシジミ:後翅裏第1a室の基部側斑点がある(ヒメの♂ではほぼ消失)。前翅裏第3室の黒斑形状が楕円(姿勢により見えないこと多いのが難点)
私が出会った子は楕円度が少なめですね。他の方のブログ等を見ると、通常もっと思いっきり楕円のようです。次は典型的楕円の子に会いたいです。
<各種へのコメントと個別記事へのリンク>
ヒメシジミ:[蝶-120]
ブルー3兄弟の中では、採集時代に唯一出会っているのがヒメシジミなのですが、ほとんど記憶がないです。撮影時代では、2015年に榛名湖周辺で再会していますね。その後いろいろなところで出会えています。3種の中では一番数が多い印象です。
ミヤマシジミ:[蝶-1]
アースウオッチの蝶の保護ボランティアに参加し、2011年に会っています。幼虫を守るアリの様子も観察できました。この時、採集時代の記憶が怒涛のようによみがえってきて、チョウの撮影を始めようと思ったのでした。ということで、記念すべき当方のブログの「蝶-1」がこの種というわけです。
アサマシジミ:[蝶-174]
会いたくていろいろ行きましが、しばらくは空振り続き。ようやく2017年に霧ヶ峰で出会えました。少し暗めの林縁に唐突に1頭でいて明らかにヒメシジミとは違うオーラを出していました。いろいろな場所で山地ごとに名前がついていますね。ヤリガタケシジミ、ミョウコウシジミ、ハクサンシジミ、トガクシシジミ、シロウマシジミ、イシダシジミいずれもアサマシジミの亜種です。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。3兄弟シリーズ次はどうしようかなー?笑
前回の番外編は:ゼフィルスの記録まとめ(未完)
参考文献:
yoda氏ブログ:蝶鳥ウォッチングより 類似☆ ヒメシジミ類3種の比較図Ver.1.2
フィールドガイド日本のチョウ 日本チョウ類保全協会編(誠文堂新光社/増補改訂版/2019)
原色 蝶 渡辺康之、小田島護 共著 (家の光協会/1980)
原色 蝶類図鑑 白水隆 監修 川副昭人、若林守男 共著 (保育者/1976)
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