英国から来日した宣教師ウォルター・ウェストン。
スポーツ登山の考えがなかった明治・大正時代に、日本アルプスなどへ足しげく登頂した彼と、山里の人々とのふれあい、素朴なエピソードを一挙紹介。
第1部 ウェストンの信濃路探訪
第2部 ウェストンの英国旅日記
第3部 ウェストンの旧蹟解明記
信濃路は保福寺峠のこの地から北アルプスを絶賛
保福寺ウェストン記念碑
明治24年8月、保福寺峠;1,330mから槍ヶ岳を遠望。
「高さ1万フィートないしそれ以上の雪縞のある山稜や崇高な峰々が、落日に映えたオパール色の空を背景に、紫の輪郭も鮮やかに聳えている」
常念岳を遠望し、これに驚嘆した。
「私たちは思いがけなくその眺望に接したので、その壮麗さにはただ驚嘆するばかりだった。その連峰の中部と南部全体は、足下の広々とした松本平原とそのかなたの淋しい飛騨の国の間に、一大障壁のように、西方の前面にそびえていた」
これは「なぜ山へ登るのか」という問いに対する1つの解答ではないだろうか。
ここで井上靖作詞・芥川他寸志作曲の「山高ければ」の一節。
『山高ければ山を行き、
森深ければ森を行く、
人煙遠く離れ来て、
こぼれ落葉を踏みて立つ、
ああ暫(しば)し人の世の掟を忘れひたすらに神々の座を仰ぐなり』
長野県下伊那郡大鹿村女高」
「南アルプスの秀峰、赤石岳を探検した折のこと、ある1つので、家長は皆女だった」
「今、私という一人のヨーロッパ人が初めてやる楽しい遠征は、有明山と燕岳の登山だった」
「日本南アルプスの諸峰のうちで、一番近づきやすい山で、しかもまた、一番人を賛美させる山の1つは、甲州駒ケ岳(甲斐駒ケ岳)である」
信州駒ケ岳(木曽駒ケ岳)
ウェストンは上高地から仰ぐ霞沢岳;2,646mの壮観さに対し、心うたれる。
鋸山;2,675m
松本盆地からもよく見える鍋冠山;2,135m
「鍋を伏せた山」
「目前の鍋冠山の円頂のこんもりと茂った松林の上に、穂高山の青白い花崗岩の絶壁と雪が、まぼろしのように、しかし雄大に、浮かび上がっている」
常念岳再登頂の思い
徳沢~長塀山~蝶ヶ岳~常念岳
諏訪湖の鰻
「湖の産物としては、たくさんの鯉や鰻と、鰌の一種が獲れる。
その魚は、冬になると漁師が氷に空けた穴に網を入れてすくい取るのだ」鱒
ウェストンは、イチゴには目がなかった。
再三の槍ヶ岳登頂にあたり、赤沢の岩小屋を利用した。
明治26年8月、恵那山;2190mに外国人として初登頂した。
「卵入りの混合酒」
卵酒、これはいつも生気を取り戻す活力剤として現れる。
糖分や適度のアルコール、それに良質の蛋白質は体を暖め、疲れを癒す。
「ハーフォード製のカレー煮の鶏肉は、一日の仕事を終えた後、非常に食欲をそそるものである」
スポーツ登山の考えがなかった明治・大正時代に、日本アルプスなどへ足しげく登頂した彼と、山里の人々とのふれあい、素朴なエピソードを一挙紹介。
第1部 ウェストンの信濃路探訪
第2部 ウェストンの英国旅日記
第3部 ウェストンの旧蹟解明記
信濃路は保福寺峠のこの地から北アルプスを絶賛
保福寺ウェストン記念碑
明治24年8月、保福寺峠;1,330mから槍ヶ岳を遠望。
「高さ1万フィートないしそれ以上の雪縞のある山稜や崇高な峰々が、落日に映えたオパール色の空を背景に、紫の輪郭も鮮やかに聳えている」
常念岳を遠望し、これに驚嘆した。
「私たちは思いがけなくその眺望に接したので、その壮麗さにはただ驚嘆するばかりだった。その連峰の中部と南部全体は、足下の広々とした松本平原とそのかなたの淋しい飛騨の国の間に、一大障壁のように、西方の前面にそびえていた」
これは「なぜ山へ登るのか」という問いに対する1つの解答ではないだろうか。
ここで井上靖作詞・芥川他寸志作曲の「山高ければ」の一節。
『山高ければ山を行き、
森深ければ森を行く、
人煙遠く離れ来て、
こぼれ落葉を踏みて立つ、
ああ暫(しば)し人の世の掟を忘れひたすらに神々の座を仰ぐなり』
長野県下伊那郡大鹿村女高」
「南アルプスの秀峰、赤石岳を探検した折のこと、ある1つので、家長は皆女だった」
「今、私という一人のヨーロッパ人が初めてやる楽しい遠征は、有明山と燕岳の登山だった」
「日本南アルプスの諸峰のうちで、一番近づきやすい山で、しかもまた、一番人を賛美させる山の1つは、甲州駒ケ岳(甲斐駒ケ岳)である」
信州駒ケ岳(木曽駒ケ岳)
ウェストンは上高地から仰ぐ霞沢岳;2,646mの壮観さに対し、心うたれる。
鋸山;2,675m
松本盆地からもよく見える鍋冠山;2,135m
「鍋を伏せた山」
「目前の鍋冠山の円頂のこんもりと茂った松林の上に、穂高山の青白い花崗岩の絶壁と雪が、まぼろしのように、しかし雄大に、浮かび上がっている」
常念岳再登頂の思い
徳沢~長塀山~蝶ヶ岳~常念岳
諏訪湖の鰻
「湖の産物としては、たくさんの鯉や鰻と、鰌の一種が獲れる。
その魚は、冬になると漁師が氷に空けた穴に網を入れてすくい取るのだ」鱒
ウェストンは、イチゴには目がなかった。
再三の槍ヶ岳登頂にあたり、赤沢の岩小屋を利用した。
明治26年8月、恵那山;2190mに外国人として初登頂した。
「卵入りの混合酒」
卵酒、これはいつも生気を取り戻す活力剤として現れる。
糖分や適度のアルコール、それに良質の蛋白質は体を暖め、疲れを癒す。
「ハーフォード製のカレー煮の鶏肉は、一日の仕事を終えた後、非常に食欲をそそるものである」