軽いプライド(前)

　　　　　　　　　　　　恋愛は人を綺麗にもする

　　　　　　　　　　　　　　　　醜くもする

　　　　　　　　　　　　彼女は一途な女だった

　　　　　　　愛し愛され疑う事など無い真っ直ぐな感情

　　　　　　　　　　　　　　　こぼれる微笑

　　　　　　　　　誰が何を言ったって笑って飛ばす

　　　　　　　彼の過去の思い出話しを静かに聞く彼女

　　　　　　　結婚の失敗も経験してた彼女は動じない

　　　　　　　　　　　　　　誰だって過去はある

　　　　　　　　　　　　　　失敗が大人にしていく

　　　　　　　　　　　　　　同じ過ちは繰り返さない

　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　はずだった

　　　　　　　　　　　彼は大恋愛を何度か経験していた

　　　　　　　最初の恋愛は一方通行の片思いだった

　　　　　　　　　　　　　　年上の女性に恋をしたが

　　　　　　　　　　　　想いは届かず痛い失恋だった

　　　　　　　　彼の愛は、愛と同時に結婚願望も強くなる

　　　彼女と小さな旅行した帰り両親に会ってもらいたかった

　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　思い込みの激しい彼は彼女の胸の内も聞かず

　　両親の家に連れて行ったが彼女は家に入る事はなかった。

　　　　　　　　　その頃、彼の実家では家庭問題勃発中

　　息子が彼女を連れてきていても感心がなかったのだ

　　　　　

　　　　　　　　　　　彼女は家庭の問題で救われた

　　　　　　　　　　　　彼とは友達でいたかったから

　　　　　　　　　　　　『お互いに友達でいましょう』

　　　　　　　　　　　　その言葉を告げられた彼は

　　　　　　　　　　　　傷心の気持ちで会社を退社

　　　　　　　恋愛に破れ会社を辞め一から出直す事にした

　　　　　　　　　　　彼は故郷の実家に戻り再出発

　　　まだ若かった20代前半の彼は直ぐに好きな子が出来た

　　　　　　　　　　2歳年下の友人の妹だった・・・

　　　仕事の関係で友人の妹とは毎日のように顔を合わせる

『毎日のように顔を合わせていると好きになるの当たり前だろ？』

　　　　　　　彼は黙って話しを聞いてた彼女に言った

　　　彼女は毎日のように顔を合わせてるだけで好きになるなら

　　　　　　　職場の男の全てと恋愛しなくっちゃ

　　　　　　　　　心で思ったが、笑ってうなづいた

　　　　　　　　　愛して愛して愛しい彼女が突然　　　　

　　　　　　　　　　　　『妊娠してるかもしれない』

　　　　　　　　　　　彼女の言葉で彼は浮き足になり

　　　　　　　即行で両親を連れ彼女の家に挨拶に行った

　　　　　　　　　　　しかし結婚は丁重に断られた

　　　　　　　　　何日かして彼女の口から出た言葉

　『想像妊娠だったみたい、それと私・・・他に好きな人がいるの』

　　　　　　　　　　　彼のショックは相当だったろう

　　　話しを聞いてた彼女は、二股されてたんだなぁ～

　　　　　　　　　　　やけに彼が可愛い男だと思えてた

　　　　　　　　　　　　　　　彼は話しを続ける

　　　結婚したい女に2度もフラれ結婚なんかするものか

　　　　　　　　　　　　　　　　彼は心に誓った

　　　　　　　　　　　　　　　が結婚願望の強い男

　　　　　　　　　　　　　また、愛する女性と出会った

　　　　　　　　　　　　　　　　　彼が言うには

　　　その女性は目も眩む今まで出会った事のない程の美人だ

　　　　　　　　　　　　　　一目惚れだった

　　　　　男盛りの30代スナックのホステスに恋をした

　　　　　　　　　　　　　　店の会計を済ませ

　　　　　　　　　　　　　　　外に出た彼らに

　　　礼儀正しく姿が見えなくなるまでお辞儀をしてた姿

　　　　　　　　　　　　目を細めて残像を楽しむ彼

　　　　　　　　　　　　出会った当日に名刺を渡した

　　　　　　　　そんな彼に3日後、会社に電話があった

　　　　　　　　　　電話口で悲しい女を演じお金の無心

　　　　　　　　　　彼は自分に相談してきたホステスに

　　　　　　この女性には俺が付いていてやらなきゃ駄目だ

　　　　　　　　　　　　　　　　勝手に思い込んだ

　　　　　　　　　　　　　　彼は彼女の罠にはまった

　　　　　　　　　　　　　電話がくる度にお金の無心

　　　　　　　　　　　　　　　　　　しかし愛は強し

　　　　　　　　彼は必死にホステスな女にお金を渡した

　　　　会うたびに自分の不幸な人生を語り涙するホステス

　　『実は私・・・結婚してるの、とっても酷い男で離婚するつもり』

　　　　　　　　　　　　彼は黙って話しを聞いていた

　　　　　　　　　『あの人と離婚して貴方と一緒になりたい』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　殺し文句だ

　　　　　　　　彼は愛するホステスの為にお金を工面した

　　　　　　　　　　　　　　　　付きあって1年

　　　　　いっこうに進展のないホステスに彼は切り出した

　　　　　　　　　　　　『いつまで待てばいいの？』

　　　　　　　　結婚の言葉を出す度にはぐらかされる

　　　　　　　　　　　　　　　　　彼も焦っていた

　　　　　　ホステスに貢いだお金の借金も膨らんでいた

　　　　　ホステスは上手に巧みに時には泣き、時には甘え

　　　　　　　　　　　　　　　　　嘘で彼を丸めてた

　　　　　　ホテルでの逢瀬・・・・ホステスは無心する

　　　　　　　　　　　彼の中で小さな疑問が湧いた

　　　　　　　　　　　　　　　　　彼は友人に相談

　　　　　　　　　　　　　　誰が聞いても結婚詐欺だ

　　　　　　　　　　　しかし彼はホステスを信じ続けた

　　　　　　　　　　　それ程に深く愛していたのだろう

　　　　　ホステスは名前も年齢も全て嘘を付いていた

　　　　　最初から騙すつもりだ本名など言うはずもない

　　　　　　　　　　　　彼には借金だけが残った・・・。

　　　　　　　　　　　　彼女に『これが最後だ』と・・・

　　　　　　　このお金で旦那と別れて一緒になってくれ

　　　　　　　　　最後の苦労して工面したお金を渡した

　　　　　　　　　ホステスは、お金を絞れない事を察した

　　　　　　　　　　　　　　　　簡単に彼を捨てた

　　　　　　昔の事だと言いながら彼は未練タップリだった。

『借金を返すの大変だったけど俺は今でも騙されてなんかいない』

　　　　　　　　　　　　　　　　言い切った彼だ

『彼女程に愛した女はいない、この先も彼女を越える女はいない』

　　　　　　　　　　　　　　そうなのかもしれない

　　　　　　　　彼はホステスの女の為なら何でもしただろう

　　　　　　　　　　　　　　しかし彼女は人妻だ

　　　　　　　　　彼はプライドの為にお見合いを重ねた

　　　　　　　　　そのホステスを忘れる為のお見合いだ

　　　　　　　　　何度目かのお見合いで結婚成立

　　　　　　　　　一生を誓い合う女性と巡り合った

　　　彼は『一緒に暮らす内に愛しい存在になるものだ』

　　　　黙って聞いてくれる女性に同意を求めた

　　　　　　　　　　　　　　　『そうね』

　　　　　　　　　　彼女は静かに笑顔で答えた

　　　　　　　　彼の結婚は幸せの絶頂期だった

　　　　　　　見合い結婚だけど愛情が芽生え

　　　　　『家庭的で、とってもいい奥さんだったんだよ』

　　　　しかし彼は新婚早々からの悲劇が待っていた・・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

　　　　　　

　　　　　　　　　

　　　　　　

　　　　　　　　　　　　最後まで書いちゃってよ～

　　　　　　　　　　　　気になって眠れないよ

　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　

これはある男の本当の人生ドラマだ

ブログに2回に分けて投稿しようと思う

1度では長すぎるからだ

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